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三元社出版物
投稿者: webmaster 投稿日時: 2021-9-10 16:45:39 (101 ヒット)

10月16日(土)に、第87回研究会例会をオンライン(Zoom)にて開催いたします。
みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

---------------
日時:2021年10月16日(土)14:00-18:00
場所:Zoomにて開催します。

以下の申し込みフォームにお名前とメールアドレスをご記入ください。
https://zoom.us/meeting/register/tJAlcOusrzwpE9IHEmcDDQ0Tlg8yQ4OsfCVg
参加費:無料

<報告1>
報告者:杉浦黎(東京大学大学院 総合文化研究科 言語情報科学専攻)
報告タイトル:「「アルザス語」の過去・現在・未来―境界都市ストラスブールの言語景観調査とインタビュー調査に基づく考察―」
要旨:
 長年にわたりアルザス地域は地理的、政治的、文化的に「境界」という空間に位置してきた。本報告は、独仏国境地域に位置するアルザス地域の言語状況に焦点を当てる。ヨーロッパにおいて地域少数言語の保護や複言語教育の重要性が強調されている点や地域語「アルザス語」が抱えてきた複雑さを踏まえつつ、今後どのような道を歩む可能性を持つのかについて考察する。本報告は2019年にストラスブールで実施したフィールドワークに基づく。アルザス語の実態に迫るために、どのようにアルザス語が公共空間の中で用いられるのか、どのようにアルザス語は人々によって認識されているのかという2点を問題として設定する。調査手法は1)ストラスブールの三つの広場周辺での言語景観調査、2)非公式インタビュー調査である。言語景観調査からはフランス語が優勢でありながらも、通り名や伝統的な食べ物を指し示す場合にアルザス語が用いられ、地域の象徴としての位置付けであることが分かった。インタビュー調査からはアルザス語への態度や認識におけるばらつきを観察することができた。本報告では、この調査から得られた考察とアルザス語を取り巻く言語政策に基づき、アルザス語の新たな存続の可能性を示唆する。


<報告2>
報告者:石部尚登(日本大学)
報告タイトル:ベルギーの移民(統合)政策と「言語要件」について
要旨:
 この10年ほどの間、ヨーロッパで多文化主義の「行き詰まり」が政治家や研究者など多方面から指摘されてきた。現在、「多文化主義の死/退潮/反動」、またその裏返しとしての「排外主義の勃興」が移民(政策)研究の重要なテーマのひとつとなっている。そうしたなかでベルギーの移民(統合)政策は、一方では、2015年からの一連のテロ事件を受けて「テロの温床」や「悪の巣窟」を生みだしている元凶としてその不備が指摘される。他方、移民統合政策指数(MIPEX)ではベルギーは52カ国中7位、「包括的な統合」政策が用意されている国と肯定的な評価が与えられている。最終的な評価は正反対であるが、いずれもその根拠とされているのはその政策の「寛容さ」である。本報告では移民(統合)政策のなかでも特に「言語要件」に着目し、(1)そうしたベルギーの移民(統合)政策の「寛容さ」が移民(多文化主義)への配慮というよりはむしろ制度的な帰結であること、また(2)移民(統合)政策の厳格化というヨーロッパの共通トレンドとも決して無縁ではないことを示す。なお、分析にあたっては、連邦国家であるベルギーでは移民政策の主体が複数存在するため政策主体ごとの移民(統合)政策を比較する。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2021-9-1 18:07:01 (27 ヒット)

新刊のご案内


『ぼくらはひとつ空の下 シリア内戦最激戦地アレッポの日本語学生の1800日』
[著者]優人
[取材・文]小澤祥子
[解説]青山弘之
本体価格=1300円

シリア内戦10年
「今世紀最悪の人道危機」、自分の命もいつ絶たれるか分からない日々のなか、かれらは“日本語”を学びつづけた!過酷な戦火のもと、なぜ学生たちは彼方の地のことばを学びつづけたのか? シリアと日本を結ぶ人々が届ける友情の物語/メッセージ。

取材・文を担当された小澤祥子さんが、本書の特設ページを開設して下さいました。出版記念イベント情報も掲載されています。
書籍『ぼくらはひとつ空の下 シリア内戦最激戦地アレッポの日本語学生の1800日』特設ページ★


三元社としては、珍しい読み物(ドキュメンタリー)です。

アフガニスタンに目を奪われがちですが、いまだシリアも厳しい状況が続いています。

是非、ご一読下さい。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2021-6-6 23:50:38 (247 ヒット)

みなさま

6月26日(土)に、第86回研究会例会をオンライン(Zoom)にて開催いたします。
みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

---------------
日時:2021年6月26日(土)14:00-18:00
場所:Zoomにて開催します。

以下の申し込みフォームにお名前とメールアドレスをご記入ください。
https://bit.ly/2SZ3Ajh
参加費:無料

報告者1:佐藤孝一(日本大学大学院 総合社会情報研究科)
「コロナ禍における方言エールの類型の実態調査−日本語学習者の方言理解促進を目指して−」

 地震や水害などの自然災害で被災した地域では、その地域の方言を使って、人々を励まし鼓舞するメッセージを掲げることがある。このような方言の活用は「方言エール」「方言スローガン」と呼ばれている。2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震の被災地も例外ではなく、「けっぱれ!岩手」「がんばるけん!熊本」といった方言エールが被災地域の商店街などに掲げられていた。
 2020年に始まった新型コロナウィルスの感染拡大においても、方言を用いた「エール」や「スローガン」が見られるが、それら二つの類型とは異なるものも見られるようになった。そこで、東日本大震災と熊本地震の後とコロナ禍で見られた方言エールや方言スローガンの共通点と相違点を調査・分析した。東日本大震災と熊本地震で見られた主要な類型は「エール/スローガン+地名」だったが、この類型はコロナ禍においては見ることができなかった。また、コロナ禍では、ウィルス感染の拡大予防の観点から、短文を使ったエールやスローガンだけではなく、文章によるメッセージも見られるようになった。
 方言は標準語よりもメッセージを聞いている人や見ている人々を元気づけたり、親近感を与えたり、心に強く響かせることができる。しかし、使い方を間違うと強い否定感を与える場合もある。このような方言の活用方法やその方言から与えられる印象を理解することは、日本語学習者にとって重要な学習要素である。なぜならば、日本国内で日本語を学習する外国人は、学習者としてだけでなく日本社会の生活者としての一面も持っており、特に地方で生活する日本語学習者にとって、方言理解は地域コミュニティと繋がりにも影響を及ぼすかもしれないからである。

キーワード 言語景観、方言教育、日本語教育、コロナ禍、方言エール


報告者2:藤田ラウンド幸世(国際基督教大学)
「消滅危機言語、宮古語のビジュアル・エスノグラフィー:言語の再活性化への協働実践」

 21世紀の日本社会では大きく分けて、1)先住民言語のアイヌ語と琉球王国時代からの琉球諸語、2)オールドカマー母語であった韓国語や中国語、3)ニューカマーの母語であるポルトガル語やスペイン語、4)非漢字圏のニューカマー移民の母語、フィリピン語やネパール語などのアジアの言語、5)書記言語でも音声言語でもない「手話言語」が現存し、「日本語」以外の多様な言語が日々使われている(Fujita-Round
& Maher, 2017)。
 本発表では、その中でも、「消滅危機言語」と名指されている琉球諸語の一つ、宮古語の、言語の再活性化の可能性を探る縦断的な調査を基に消滅危機言語の「見える化」と言語の再活性化における協働実践について考察する。
 映像化に至るまでには、2012年からの宮古島市での小学校や中学校での授業実践や意識調査、また、そこから発展した一つの集落でのフィールドワークがある。フィールドワークの中で、試行錯誤を重ね、インタビュー対象者である宮古語の話者を映像で記録をするビジュアル・エスノグラフィーとそのアーカイブ化に至った。音声言語である宮古語を映像で話者ごとの生データといった言語の「ドキュメンテーション」ではなく、この映像を言語の再活性化のためのドキュメンタリー映画にすることを踏まえ、アクティブなインタビューを2015年から2017年に行い、撮影した。
 本調査地の宮古島市のある琉球弧の近代史を振り返るときに、消滅危機言語と名指されるまでになった背景として、明治期の標準語政策や太平洋戦争、また、アメリカ合衆国の占領下に置かれた歴史が沖縄県の人々の言語に対する態度に影響を及ぼしている。このような20世紀に起きたマクロの言説については数々の先行研究の蓄積がある。本研究ではミクロなレベルで、宮古島市の現在の島民の人達と、言語の再活性化の取り組みを協働するという行為が宮古島市の人々が20世紀を超えることにつながるのではないかと捉え、実践したものである。

キーワード:宮古語、言語のエスノグラフィー、ビジュアル・エスノグラフィー、消滅危機言語、言語の再活性化


投稿者: webmaster 投稿日時: 2021-3-31 14:30:22 (383 ヒット)

日時:2021年4月24日(土)14:00-18:00
場所:Zoom にて開催します。

以下の申し込みフォームにお名前とメールアドレスをご記入ください。
https://bit.ly/3syslQe
参加費:無料

報告者1 :藤井碧(京都大学大学院 人間・環境学研究科)
「多言語国家の言語教育観―スイスにおける第二国語教育の発展過程から」
 本発表では、スイスにおける1970年代から1990年代までの「第二国語」の教育制度の発展過程を通して、多言語国家における言語教育政策の特徴を考察する。
 スイスの連邦憲法はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語に法的な地位を認め、各州は四言語のうち一言語ないしは複数言語を公用語と定めている。「第二国語」とは、当該州の公用語でない国語を指すもので、スイスでは1975年から第二国語の早期教育が制度化された。近年は、英語教育への関心の高まりや、学習負担への批判から、この第二国語教育の意義が見直されている。 
 本発表ではまず、1975年前後の制度改革の背景と、この政策アクターである、教育局長会議、教師連盟、また欧州評議会における議論の過程を取りあげる。次に、1975年以降、第二国語教育制度が各地域において定着するまでの過程をたどる。ここで発表者は、第二国語教育が、フランス語圏におけるドイツ語教育、ドイツ語圏におけるフランス語教育として実践される点に着目する。この観点をとることにより、政策アクターがそれぞれの言語や言語学習に関する社会的表象に働きかけようと議論する中で発展した言語教育観と、現在の言語教育政策の特徴との連続性が明らかになる。
 
報告者2:藤田護(慶應義塾大学)
「南米アンデスの近年の映画作品における先住民言語のプレゼンスの増大」
 19世紀前半にラテンアメリカ諸国が独立して以降、各国が国民国家形成を目指すなかで、この地域の先住民言語は植民地期以上に追いつめられるようになり、20世紀には話者数の多い先住民言語も急速にその話者数を減らした。しかし、アンデス高地のアイマラ語とケチュア語については、20世紀後半に入るとそれに抗う動きが見られるようになり、近年の国勢調査にもとづくと話者の絶対数は増加していることが確認でき、また同時期に公共の場におけるこれらの言語の存在感も増大してきたように思われる。このような状況の下で、アイマラ語とケチュア語に重要な役割を与えつつ、国際映画祭で高く評価される映画作品が複数現れてきた。本報告では、そのようなケチュア語の映画3本――『マディヌーサ』(2006年)、『哀しみのミルク』(2009年)、『レタブロ(箱型祭壇)』(2017年)――と、アイマラ語の映画2本――『ソナ・スール』(2009年)、『ウィニャイパチャ』(2017年)――をとりあげ、その幾つかの具体的な場面を詳細に検討することで、どのような言語の動態がそこに見いだされ、それが映画のどのような解釈を可能にするのかを探求する。そこでは、先住民言語の新たな動態を慎重に評価しつつも、従来からアンデス地域研究が指摘し続けてきた社会政治的問題が、そこにあり続けていることを指摘することにもなるであろう。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2020-11-16 8:47:44 (2021 ヒット)

多言語社会研究会会員のみなさま

この度、第84回研究会をオンライン(Zoom)にて開催いたします。
みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。(例会担当:安田敏朗)

日時:2020年12月19日(土)14:00-18:00
場所:Zoom にて開催します。
 以下の申し込みフォームにお名前とメールアドレスをご記入ください。自動返信メールにて当日のZoomミーティングID・パスコード・識別番号をお送りします。
https://bit.ly/38LWkgb

参加費:無料

報告者1 :佐野彩(一橋大学大学院言語社会研究科博士研究員)
「フランスのフランコプロヴァンス語地域における言語運動と言語の継承」
 フランコプロヴァンス語はフランス、イタリア、スイスの境界地域で話されてきたロマンス系言語である。19世紀に言語学者が存在を指摘して命名したが、話者には村などの狭い地域のことばを指す「パトワ」と呼ばれ、そのように捉えられてきた。フランス語への言語シフトが進む一方、「パトワ」の活動を行う各地の団体が言語運動を進めてきた。本報告では、関係者へのインタビュー調査、活動の参与観察、資料をもとに、言語運動の概要を明らかにした上で、「若い」世代に焦点を当て、話者タイプや活動形態(国境を越える「アルピタン運動」とローカルな「パトワ」の活動)といった観点から言語意識・言語使用を検討し、言語の継承を考える。

 
報告者2:鴨志田聡子(日本学術振興会特別研究員(RPD)東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻)
「オンライン言語学習活動によって再活性化する少数言語の継承」
 大半の少数言語において次世代への継承は最大の課題である。本報告ではユダヤの言語のオンライン言語学習活動の課題や可能性について、報告者の参与観察をもとに述べる。家庭で継承されにくい少数言語の次世代リーダー(講師や話者)の育成には、魅力ある言語学習活動の継続的な実施が効果的である。継続的に学習する人を一定数確保することを目指すとき、オンライン化が一つの解決策となる。本報告では、少数言語イディッシュ語のオンライン学習活動に焦点をあてて、ラディノ語(ジュデズモ、ユダヤ・スペイン語)の活動にも触れながら紹介する。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2020-10-7 17:49:28 (361 ヒット)

 2020年度の多言語社会研究会東京例会は、新型コロナの感染状況に鑑みて延期しておりましたが、この度、10月例会をオンライン(Zoom)にて開催することといたしました。
 みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

日時:2020年10月24日(土)14:00-18:00
場所:Zoom にて開催します。
 以下の申し込みフォームにお名前とメールアドレスをご記入ください。自動返信メールにて当日のZoomミーティングID・パスコード・識別番号をお送りします。
 https://bit.ly/3l6U5XY
参加費:無料

報告者1 :大友瑠璃子(北海道大学)
「日本(語)をめぐる言語政策の動向:言語政策の民族誌に着目して」
 本報告では、言語政策研究の潮流を概観した上で、報告者が行ってきた言語政策研究を取り上げる。第三世界の「言語問題」の解決のための研究から、そのような無批判な学術的態度に疑問を呈し、批判的な切り口から言語政策を捉え直すという変革を遂げてきたこの研究領域は、現在、新たな展開を迎えている。政策自体に着目しながらも、言語政策が作用している様々な組織や人々に目を向ける民族誌的なアプローチを援用した研究が増えている。このアプローチでは、言語政策には、多様な読み方があることを示し、また、それが策定・実施される過程で、言語政策に関わる組織や人々が直面している政治・経済・社会的な状況や人間関係の中に置かれることにより、修正されたり、覆されたりする可能性を指摘している。報告者は、この「言語政策の民族誌」の概念的枠組みを利用して、経済連携協定の枠組みの中で外国人看護師・介護士人材を受け入れている制度を言語政策として捉え、調査してきた。本報告では、この調査についての報告を中心に、近年の日本(語)をめぐる言語政策について議論していく。

報告者2: 沈 吉穎( SHIN Kitsuei ): 大阪大学言語文化研究科博士後期課程2年
「外国人高度人材」概念の意味変遷に関する一考察
 外国人高度人材は、しばしば、「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することが出来ない良質な人材」、もしくは「イノベーションをもたらすことが期待できる人材」として、世界的に戦略的獲得の対象として表象されてきた。しかし一方では、アニメなどの特定の分野で働く外国人や地方大学出身の留学生が、外国人高度人材として認可されやすいことも指摘されている。
 本研究の目的は、「外国人高度人材」の概念に含まれるのが誰なのか、その時々に外国人高度人材に期待された役割がいかなるものであったのかを明らかにすることである。研究方法は、日本の全国紙五紙の新聞記事を手がかりに、当時の政策の動向や関連する公文書を参照しつつ分析・考察を行う。
 分析結果から得られた知見は、外国人高度人材は、一つの定義にはおさまらない様々な意味を付与されているという点、そして、外国人高度人材とされる人々が、様々な意義と社会的役割を与えられているという二点である。結論としては、外国人高度人材は必ずしも高度な専門性と技術力を持った人材ではなく、その時々に様々な形で社会情勢と関わりを持ち、政治解釈に応じて常に変化する概念であることが明らかになった。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2019-12-15 23:20:07 (652 ヒット)

下記の要領で多言語社会研究会を開催します。ふるってご参加ください。
今回は、東京23区を西にとびだして、東京都武蔵野市で開催します。いつもと場所が異なりますので、くれぐれもご注意ください。

日時:2020年1月25日(土) 13時00分〜16時45分
場所:武蔵野公会堂 第2会議室(2階)
 JR中央線吉祥寺駅南口から徒歩2分。井の頭公園に向かう途中にあります。
 地図 http://www.musashino-culture.or.jp/sisetu/koukaido/access.html
 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-22
参加費:500円(資料代として)

報告1 13:00〜14:45
報告者:吉田真悟(一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程)
題目:台湾語における文字使用と「○○意識」
要旨:本発表では、現代台湾(閩南)語の書き言葉における文字使用と、書き手ないしは文字に関わる人々の言語イデオロギーとの関係について報告する。書記言語構築の只中にある台湾語では、規範形成が進む一方で、漢字とローマ字を中心とする複数の文字種をめぐり、依然多様な文字使用のあり方が見られる。それを人々の思想や考え方、即ちイデオロギーの観点から分析するため、面接(インタビュー)調査の結果を基に、特に国族認同(ナショナルアイデンティティ)に関わる言葉である「台湾意識」を始めとして、「○○意識」と名付け得るものとの関係から論じることを試みる。
キーワード:台湾語、文字、言語イデオロギー、台湾意識

報告2 15:00〜16:45
報告者:齋藤幸世(関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程)
題目:台湾の多文化教育における言語平等化のプロセス ――「十二年国民基本教育」の「本土言語教育」の事例より 
要旨:2019年9月より、台湾の新教育制度「十二年国民基本教育」が正式に始まり、その母語教育に「新住民(新移民)」の言語が加わる新たな局面を迎えた。そこで、本研究では多文化教育における教育言語としての中国語の位置づけに焦点を当て、主にフィールド調査から「母語教育」の変貌を検討する。さらに、2018年12月25日に「国家言語発展法」が可決し、新たに「国家言語」が定められた今、台湾言語の多様化と平等化がいかに教育制度に反映され、何を目指しているのかを明らかにする。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2019-12-2 11:55:52 (507 ヒット)

『社会言語学』XIX(2019年)が発行されました。
購入はこちらから

論文:
重度知的障害者に対する投票支援における課題の検討
--- 保護者、施設スタッフの意識調査から ---
堀川 諭

駅の表示におけるピクトグラムの課題と可能性
野田 実紀

明治末期におけるエスペラント批判
--- 高橋竜雄を手がかりに ---
渡邉 剛

外国人労働者の受け入れに係る日本語教育施策
--- 「日本語教育推進に関する法律」成立までの経過 ---
田尻 英三

言語復興学への誘い
--- オーストラリアの経験から ---
ギラード・ツッカーマン
(木村 護郎クリストフ編訳)

コーダイメージと言語意識
--- 移民の子どもとの類似・相違 ---
中島 武史

​外国ルーツの子どもの主体性を育む学習支援のあり方
--- フィリピンルーツの生徒と日本語教師の相互行為分析を通して ---
江夏 亜希子

​情報保障における音声・動画メディアの活用をめぐって
あべ・やすし

​大学のレポート・論文で重視される「わかりやすさ」
--- 各種テキストではどのように指導されているか ---
はやま しんすけ


翻訳:
斎藤秀一 編『ラティニーゴ2』(1938年)


書評/書評への応答:
「職業としての日本語教師」という問題設定から
牲川 波都季 編著 有田佳代子・庵功雄・寺沢拓敬 著
『日本語教育はどこへ向かうのか--- 移民時代の政策を動かすために ---』
(くろしお出版、2019 年)
ましこ・ひでのり

​書評に応えて
庵功雄・有田佳代子・牲川波都季

中島 武史 著
『ろう教育と「ことば」の社会言語学 --- 手話・英語・日本語リテラシー ---』
(生活書院、2018 年)
冨田 哲

​書評への応答
中島 武史


投稿者: webmaster 投稿日時: 2019-9-24 9:53:30 (1465 ヒット)

多言語社会研究会第81回東京例会を、下記の通り開催いたします。
みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。


第81回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2019年10月26日(土)午後2時〜6時
会場:東京大学東洋文化研究所3階、大会議室
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円


〈第1報告〉
タイトル:言語学から見た「想像の共同体」 — 田中克彦『ことばと国家』再読
報告者:勝又章夫(慶應義塾大学非常勤講師、東京国際大学非常勤講師)
概要:
 ベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」という概念と田中克彦の思想を結び付けることはできないように見える。想像の共同体のように、民族の客観的存在を疑問視する思想に田中はしばしば反対してきたからである。それにもかかわらず田中の言語論は想像の共同体を言語学的に基礎づけているように見える。そもそも民族が「想像の共同体」であるということは、民族が「心の中の交流」というイメージにほかならず、客観的には存在しないということを意味する。言語が民族の客観的基礎であるように見えるが、言語の存在がその言葉の話し手の民族意識に依拠するという田中の言語観はむしろ「想像の共同体」を言語学的に基礎づけている。このように民族や言語が人間の意識から独立して客観的に存在するのではなく、人間の意識によって構築されるという考え方を構築主義という。構築主義の理論的長所は明らかである。それは19世紀のチェコ・ナショナリズムの歴史や、1990年代の旧ユーゴスラヴィアのナショナリズムをクリアに説明できるからである。これに対して構築主義の政治的な意味はアンビヴァレントである。構築主義は個人を民族から守り、抑圧的な権力に対しては民族を再構築して抵抗することも可能としてくれる。しかし民族が人間の主観的構築物にすぎないとすれば、それは被抑圧民族にも当てはまり、非抑圧民族を民族的抑圧から守ることができなくなる。このような弱点を補うために、民族と言語は確かに人間の主観によって構築されるが、恣意的に構築されるわけではないと構築論を修正すべきであると思われる。


〈第2報告〉
タイトル:介護分野における外国人受入れ制度の問題点
報告者:平井辰也(EPA看護師介護福祉士ネットワーク)
概要:
 報告者は,EPA制度開始の2008年より日本語教師として就労前日本語研修を担当し、その後EPA候補者の相談窓口を設置し、帰国したEPA候補者の再来日の支援として介護専門学校への留学や技能実習介護への参加などに関わってきた。この報告ではEPA制度における10年間の結果を総括し,過去のEPA制度及び日本での外国人介護人材受入れ制度の変遷とこれからの制度設計への提言について,日本語教師としての立場と外国人介護人材支援の実践者としての立場から問題点を指摘したい。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2019-5-28 10:21:43 (853 ヒット)

多言語社会研究会第80回東京例会を、下記の通り開催いたします。
みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。


第80回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2019年6月22日(土)午後2時〜6時
会場:東京大学東洋文化研究所3階、第1会議室
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円

<報告1>
タイトル 日本社会におけるイタリア語(風)表記の象徴的機能ー言語景観の事例分析
報告者:ステファノ・ロチーニョ Stefano Lo Cigno(京都大学人間環境学研究科)
概要 日本で90年代に人気を博し始めたイタリアンブームの勢いが止まらないようである。イタリア料理やイタリアの輸入品、衣料品、高級車を愛し買い求める人は常に多く、その勢いでイタリア語の学習に挑む人もいる。その中、数多くの店名に使用されているイタリア語が日本の言語景観に大きく貢献していると思われる。しかし、そもそも日本人によるイタリアという国に対するイメージはどういったものなのかは未だ調査によって明白にされてきていない。それは、日本の町でしばしば見かけるイタリア語の表示を見れば肯定的なものであると推測できるが、具体的にどのように概念化されているかについての報告が見当たらない。また、経営者によるイタリア語自体の使用の裏にどのような概念、理由、目的もしくは期待などがあるかについても考察なされていない。
 本研究では質的アプローチ及び分析で日本におけるイタリアのイメージおよびイタリア語の使用実態を調査する。とりわけ、言語景観の観点からみて、日本人が営んでいるイタリアに関連のある店舗の看板に用いられているイタリア語のイメージと実際どのように産出されるかを探る。それは、飲食、ファッションなどといった業界に携わる日本人の経営者がイタリアに対しどのようなイメージを抱いており、そしてどのような基準で自分の店舗にイタリア語を使用したかを明らかにする調査にあたる。
キーワード: 日本、言語景観、イタリア、イタリア語、店名

<報告2>
タイトル バスク語の新話者の家庭における言語アイデンティティと家庭言語政策——ビルバオ都市圏でのインタビュー調査に関する報告——
報告者 アインゲル・アロツ Aingeru Aroz(上智大学外国語学部イスパニア語学科)
概要 バスク語はスペイン北部とフランス南西部にまたがるバスク(Euskal Herria)で話されている少数言語である。バスク語話者の大多数が集中するスペイン領バスク自治州(Euskal Autonomia
Erkidegoa、以下EAE)では、1970〜80年代から現在に至る活発な言語復興運動と言語政策の影響により、バスク語話者の数は継続的に増加し、バスク語の使用は教育、メディア、公共機関といった領域に次第に広がってきた。このような過程を経て、現在EAEには、家族からバスク語を継承した「母語話者」にならび、バスク語を学校教育で習得した多くの「新話者」(hiztun berriak)がおり、なおかつ後者の数は近い未来に前者の数を上回ると見積もられる(現在、新話者はすでにEAEの50歳以下の話者の過半数を占めている)。
 本発表では、自分の子どもをバスク語で育てることを選択した新話者に関する研究調査を紹介する。調査では、バスク最大の都市でありながら、バスク語使用の程度が比較的低いビルバオとその郊外(ビルバオ都市圏、Bilboaldea)に住んでいる10名の研究協力者と半構造化インタビューを行い、インタビューから得たデータを分析した。今回の報告では、まず少数言語の新話者に関する先行文献および研究手法を紹介してから、研究協力者のバスク語話者としてのアイデンティティ、そして彼女・彼らが自らの子どもをバスク語で育てるにあたって家庭における言語使用をどう考え、どう計画し、どう行なっているかについて述べる。
キーワード: バスク語、少数言語の新話者、言語アイデンティティ、家庭言語政策


投稿者: webmaster 投稿日時: 2019-2-20 13:47:28 (1081 ヒット)

多言語社会研究会第79回東京例会を、下記の通り開催いたします。
みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。
※会場が前回と異なります。ご注意ください。


第79回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2019年4月27日(土)午後2時〜6時
会場:東京大学東洋文化研究所3階、大会議室
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円

<報告1>
タイトル:ディスレクシア(読字障害)を社会言語学的視点から考える
報告者:成田 あゆみ(ディスレクシア英語塾「もじこ塾」主宰)
概 要:ディスレクシア(dyslexia)は、知能は普通で、教育を受けたにもかかわらず、読字の流暢性や正確性に困難を抱える脳神経上の特性であり、学習障害のひとつである。音韻認識,字形認識,言語の線形性に対する認識の困難が組み合わされて起きるとされ,関連する脳内部位の特定も進みつつあるが,原因の完全な特定には至っていない。出現率は言語により異なり、日本の小学校では6.5%、英語圏では10%から30%近くとされる。話し言葉の運用能力はむしろ高いほか,空間認知能力やシミュレーション能力に長ける場合が少なくない。読字障害の存在は日本ではまだ周知されておらず,本人の特性受容や教育現場の対応は進んでいないのが現状である。
 ディスレクシアの存在は、母語話者集団内でも言語能力は均質的でないこと、読み書きの壁に日々苦労する日本語母語話者が20人に1人はいることを明らかにする。一方,社会言語学の知見はディスレクシアの周知や対応に役立つ可能性も秘めている。本発表では、ディスレクシアの学生が日本語と英語の学習で直面する困難を紹介し、社会言語学がディスレクシアの理解と啓発にどう貢献できるか考察したい。


<報告2>
タイトル:知的障害者への情報保障 ─「わかりやすさ」と「合理的配慮」をめぐって─
報告者:打浪 文子 (淑徳大学短期大学部)
概 要: 2014年に日本が批准した「障害者の権利に関する条約」にも謳われているように、情報化社会の発展に伴う障害者の情報保障は重要な今日的課題の一つである。情報工学・福祉工学等を中心とした情報支援技術の追究により、視覚・聴覚障害者等への感覚モダリティの変換による情報保障は大きく進展してきた。しかし一方、自己選択や自己決定に難しさを有する知的障害者は、情報支援技術の改善のみでは困難が十分に解消されず、言語に関する複合的な差別および情報格差の下に置かれ続けている。
 本報告では、知的障害者の置かれている言語的状況を、社会言語学・障害学の概念を借りながら整理する。それらに基づき、日本語の「わかりやすさ」および障害者への「合理的配慮」の観点から、知的障害者への情報保障の必要性とその具体的なあり方を検討する。さらに、日本語のわかりやすさに関わる諸分野(外国人住民向けの「やさしい日本語」等)との相違・共通点を指摘し、わかりやすい日本語による情報保障の連携可能性と社会的な課題を論じる。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2019-1-6 10:52:37 (858 ヒット)

多言語社会研究会第78回東京例会を、下記の通り開催いたします。

みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

--------------------------------------
第78回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2019年1月26日(土)午後2時〜6時
場所:女子美術大学杉並キャンパス 6103教室
   http://www.joshibi.ac.jp/access/suginami
資料代:500円


<報告1>
タイトル:「章炳麟と『臺灣日日新報』―『民報期』の言語観への手がかりとして―」
報告者:土屋真一(明海大学大学院応用言語学研究科博士後期課程1年)
キーワード:章炳麟・『台湾日日新報』・民族主義・文字言語
概要:「駁中國用萬國新語説(中国、万国新語を用いる説を駁す)」を著した章炳麟は、清朝末期の文字改革運動におい同時期に発表された代表的な文字改革運動の論者たちとは異なる主張を展開した。
 この異なりとは他の代表的な文字改革運動は富国強兵をめざし教育の普及を目的とし、清朝政府の役人などを通じて文字改革運動を展開させたのに対し、章炳麟は教育の普及ではなく、民族の復興を目的とした漢字廃止論とエスペラント推進派への反駁を主題に反切を活用した記音字母の提案や草書や小篆という隷書を簡略した文字の普及をうったえたことにある。民族の復興とは漢民族が再興することを指し、つまりは章炳麟の民族主義にあたるふしがある。章炳麟がこのような考えを抱くにはいかなる経緯をたどってきたのであろうか。
 本研究では、その一過程として戊戌政変後台湾亡命していた時期に注目するとともに、当時章炳麟が就職していた『臺灣日日新報』で発表した「失機論」を中心に検証をおこなうこととする。そして台湾亡命時期が章炳麟にとって民族主義を形成する一過程であったことを明らかにしたいと考える。
 なお章炳麟と『臺灣日日新報』に関する先行研究については、先駆的研究として阿川修三氏はが『漢文学会会報第四十号』において「『台湾日日新報』所載章炳麟論文について」という表題のもと、章炳麟が戊戌政変で台湾に逃れたとき勤めていた新聞社が従来『台北日報』といわれていたが、実は『臺灣日日新報』であったことを発見し、新資料として紹介したうえで、過去の章炳麟研究に戊戌政変後の変法派との関係について新たな知見を与えている。また湯志鈞・近藤邦康の両氏は『中国近代の思想家』のなかで台湾亡命期の章炳麟についてとりあげ、阿川修三氏の発見の新資料として『臺灣日日新報』を紹介した。また湯志鈞・近藤邦康の両氏は『臺灣日日新報』の漢文欄に掲載された章炳麟の論説について分析をおこない、章炳麟の政治観とくに清朝政府や西太后に対する批判に関して論述している。
 以上の先行研究から当時の台湾が日本統治下であったゆえ、『臺灣日日新報』において章炳麟の清朝政府への直接的批判の具現化したことがわかる。


<報告2>
タイトル:社会言語学の課題としての医療通訳研究
報告者:糸魚川美樹(愛知県立大学外国語学部)
概要: 厚生労働省による「医療通訳カリキュラム基準」および医療通訳のテキスト(多文化共生きょうと2014年作成、2017年改定)の発表、外国人患者受け入れ医療機関認証制度(医療通訳拠点病院)の開始(2015年)、「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループ」の設置(2018年)など、医療通訳をめぐる国の動きが近年目立つ。自治体においてもNPOや国際交流協会などによって医療通訳者養成・派遣事業を立ち上げるところが増え、これらの事業や医療通訳者をつなぐ全国医療通訳者協会も2016年12月に設立された。2019年度には医療通訳認証(学会認証)が開始される予定である。
 医療通訳への関心は高まっており、関連シンポジウムが毎年どこかで開催され、医療系学会の大会でも分科会が企画されている。医療系専門誌にも医療通訳に関する特集が組まれている。近年の医療通訳をめぐる動き・議論・研究を紹介しながら、社会言語学が医療通訳とどう関われるのかを考える。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-11-17 0:36:00 (2279 ヒット)

多言語社会研究会・第10回研究大会を以下の要領で開催します。

【日 程】2018年12月1日(土)・2日(日)
【場 所】東京大学 東洋文化研究所
【参加費】1000円(どなたでも参加できます・事前申し込み不要)
【主 催】多言語社会研究会
【共 催】東京大学東洋文化研究所班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」

【大会テーマ】オリンピック 多言語とナショナリズム

【趣旨】
 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を前にして、多言語化についての議論を目にする機会が増えてきた。それら議論は、公共空間での多言語表記、公共サービスやビジネスにおける多言語対応などを中心としており、背景には、オリンピック大会に向けて増えるであろう外国人観光客に対応しよう、という発想がある。「対応しよう」と考える理由は立場(行政か民間か)によって多少は異なるようだが、姿勢は共通して積極的である。これら議論で目立つ内容を標語的に表現すると「多言語によるおもてなし、すなわち言葉のバリアフリーを通じて観光立国と多文化共生社会を推進しよう!」といったところであろうか。一連の議論について特筆すべきは、オリンピックや多言語(状況)が本来的に内包している政治性に対する徹底した無関心である。本大会1日目は、こうした議論とは逆に、オリンピックや多言語(状況)についての政治性を正面からあらためて問う場としてみたい。


【プログラム】
12月1日(土)
13:00 開会・趣旨説明
13:20 基調講演
 小澤考人(東海大学)「オリンピックとナショナリズム再考:多言語対応の向こう側」

14:20 報告1
 藤井久美子(宮崎大学)「オリンピック開催と多言語対応―東京と北京の場合―」

14:50 報告2
 塚原信行(京都大学)「バルセロナオリンピックの言語的レガシー:マイノリティ言語とオリンピック」

15:20 休憩

15:45 パネルディスカッション
 「オリンピック 多言語とナショナリズム」
  司 会:石部尚登(日本大学)
  パネリスト:小澤考人・塚原信行・藤井久美子

18:30 1日目終了

12月2日(日)
 ラウンドテーブル「多言語状況研究の20年を振り返る」
 日本において、社会的な言語問題を取り上げる研究が増加し始めてから20年ほどが経過した。この間、多言語状況に関する研究は広がりを見せたが、同時に細分化したために全体像がつかみにくくなっているとも言える。このラウンドテーブルでは、多言語状況を研究対象の1つとして含む学会・研究会の代表者が集まり、この間の関連研究の広がりと深化について総括を試み、また、今後の研究の方向性について議論する。

09:30 原聖「多言語社会研究会創設の経緯」

10:00 ラウンドテーブル

 司会:佐野直子(名古屋市立大学)
 参加者:
  大河原眞美(法と言語学会)
  かどやひでのり(「社会言語学」刊行会)
  定松 文(多言語社会研究会)
  庄司博史(多言語化現象研究会)
  平賀正子(社会言語科学会)
  村岡英裕(言語管理研究会)
  山川和彦(日本言語政策学会)

12:30 閉会


投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-11-17 0:35:41 (768 ヒット)

『社会言語学』XVIII(2018年)が発行されました。
『社会言語学』刊行会

論文:
NPO と言語アクセス条例
--- 米国・サンフランシスコの事例から ---
角 知行

知的障害者に分かりやすい選挙情報充実を目指す動き
--- 東京都狛江市における実践の経緯 ---
野田 実紀

駅における表示のあり方に関する考察
--- 言語サービスとしての多言語表示の今とこれから ---
野田 実紀

中学校英語教科書における「社会的な話題」
--- 視点の画一化を覆い隠す題材の多様化 ---
仲 潔

日本語教育における「期待される学習者像」
--- 〈「多様なものの見方」を提供するリソース〉としての外国人日本語学習者とテキスト ---
伊藤 創

調査報告:
情報保障に関する韓国の法制度概観
あべ・やすし

翻訳:
斎藤秀一 編『Latinigo』(1937–1938)翻訳にあたって
萩原 洋子

斎藤秀一 編『ラティニーゴ』(1937年)

書評:
暴走が加速化する英語教育
阿部 公彦 著『史上最悪の英語政策 ウソだらけの「4 技能」看板』
(ひつじ書房、2017年)
藤原 康弘・仲 潔・寺沢 拓敬 編
『これからの英語教育の話をしよう』
(ひつじ書房、2017年)
ましこ・ひでのり


投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-8-16 16:21:50 (1167 ヒット)

多言語社会研究会第77回東京例会を、下記の通り開催いたします。

みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

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第77回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2018年10月27日(土)午後2時〜6時
場所:東京大学東洋文化研究所 3階第1会議室304号室
   http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円

<報告1>
タイトル:塀の中の多言語世界―職業としての司法通訳を問う
報告者:高畑 幸(静岡県立大学国際関係学部)
概要:訪日外国人や定住外国人が増加するにつれ、被告人や証人など、外国人の訴訟関係者が法廷に立つ機会が増えている。国際人権規約および刑事訴訟法により、日本語を解さない被告人や証人には国費で通訳人が雇われる。法廷通訳人は法で定められた存在であり、通訳人不在では開廷できない。しかし、法廷通訳の担い手は年々減少している。それはなぜか。警察、検察、法廷などで働く司法通訳者の仕事を概観しつつ、訪日および定住外国人を言語の側面からケアする人材の育成と維持の課題を考えたい。


<報告2>
タイトル:言語権と法学的課題
報告者:杉本篤史(東京国際大学国際関係学部)
キーワード:言語権・言語政策・国際人権法・日本国憲法
概要:日本ではこれまで言語に関する政策や法令が全くなかったわけではないが、そこには統一的な言語観はなかった。例えば、刑事訴訟法175条は「国語に通じない者…には、通訳人に通訳をさせなければならない。」とする一方、176条では「耳の聞えない者…には、通訳人に通訳をさせることができる。」としている。ここでは国語とは何かを定義していないばかりか、非日本語音声言語話者に対しては通訳を必須とする一方、聴覚障害者の場合には通訳をさせることができるとして、後者の通訳を受ける権利が十分には保障されていない。なお民事訴訟法154条では「口頭弁論に関与する者が日本語に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。」とあり、両訴訟法における国語と日本語の両用語の関係は全く説明がない。また文字・活字文化振興法第3条2では「文字・活字文化の振興に当たっては、国語が日本文化の基盤であることに十分配慮されなければならない。」とあり、素朴で無邪気な、だからこそ始末に負えない音声日本語中心主義が垣間見えている。しかし、これは日本国が締結している諸国際人権条約における言語権の考え方とは相容れないものであり、この矛盾はいまなお放置されたままである。例えば、障害者権利条約の署名により2011年に改正された障害者基本法第3条3で「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保される…。」と規定されたが、上述の両訴訟法はこの障害者基本法改正よりも後年に改正されていながら、手話通訳の扱いには特段の変更は加えられず、公正な裁判を受ける権利としての聴覚障害者の司法通訳を受ける権利を正面から規定していない。他方、日本国は言語的少数者の権利に関する重要な国際条約である原住民及び種族民(Indigenous and Tribal Peoples)条約/ILO第169号条約や、すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約等を批准していない。本報告では、このような状況下でアイヌ文化振興法が制定され、そしていま「日本語教育振興法案」や「手話言語法案」が取りざたされていることの問題点、さらには、言語権概念を日本国内法体制に受容するための条件や課題について、報告者自身が抱えている研究上の課題も交えて、現状を報告したい。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-6-14 10:16:29 (687 ヒット)

多言語化現象研究会  第68回
日時 2018年7月7日(土)  午後1時30−5時15分
場所 大阪大学 言語文化研究科 A棟2階大会議室(大阪大学豊中キャンパス)
大阪大学豊中キャンパス (阪 急石橋駅、大阪モノレール柴原駅より徒歩15分)
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/ (石橋よりの正面玄関よりお入りください。)
参加費 500円 (資料代ほか)  

1)報告者: 庄司 博史(民族学博物館) 1時30分−3時15分
テーマ 「観光言語学」をとりまく風景
<要旨>
社会言語学、特に言語政策論では、非主流派あるいは少数派とみなされる言語が主流派言語に対しいかに同等の地位や施策を獲得するかが関心の対象であり、それを左右するのは、双方の背景とする話者集団の力関係であった。非主流派の中心は時代とともに、地域少数言語、先住民言語から今日の移民言語にシフトしてきた。しかし近年、3000万人にも達する観光客を背景とするインバウンド関連産業の台頭とともに、言語政策(特に公共空間における言語使用)を左右する主体や主体間関係が大きく変化しつつあり、それにともない研究パラダイムも大きく推移している。2000年代初頭から前倒し的に出現している、いわば「観光言語学」ともみなせる潮流であるが、上述の研究パラダイムの変化にほとんど触れられることなく、いまや言 語景観研究や言語バリアフリー研究では「観光言語」を対象とするものが主流をなすといっても過言でない。発表では産官の前面的支援のもと、やや実務主義に走りがちにもみえる「観光言語学」をながめてみたい。

2)報告者: かどや ひでのり(津山高専) 3時30分−5時15分
テーマ 20世紀前半の日本におけるエスペラント運動の評価---人類人主義・平和主義・ファシズム---
<要旨>
日本におけるエスペラント運動は1906年に二葉亭四迷による教科書が発行されてから急速に拡大し、同年中に協会設立、機関紙発刊、日本大会開催へと至っている。1919年、日本エスペラント学会が設立されると運動は活動家個人に依存する時期を脱し、いくらかのブームと停滞をへつつ、ひろがりをみせた。1920年代に分岐したプロレタリア・エスペラント運動は1930年代前半には治安当局により消滅させられたが、以後も運動全体が継続的な監視下におかれ、1930年代中頃になると政治体制と急速に同一化を開始、1940年代には八紘一宇を連呼することとなった。エスペラント運動では19世紀末の当初より、異言語話者間の相互理解をつうじたホマラニスモ(人類人主義)思想が影響力をもち、平和主義運動とも連携、日本での運動にも直接の影 響があった。一見ファシズムと相容れないその思想は短期間のうちにファシズムへの転化をみた。戦後もエスペラント運動は平和主義の言語・運動として自己定義する潮流を維持しつづけ、現在にいたっている。こうしたねじれを内包するエスペラント運動の推移をどのように理解・記述するべきかを、20世紀末以降、基本的権利の擁護のための文化運動として再定位されたエスペラント運動の立場から検証する。
(研究会終了後、近くで懇親会を予定しています。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
初めてのかたも歓迎します。準備の都合上、出席の方のみ、できれば懇親会出席の有無とともに、必ずメールで事務局までご連絡ください。特に質問などない限り出席通知には受領確認の返事はしませんのでご了承ください。
研究会への連絡、質問は事務局へお願いします。
webmaster☆tagengoka.sakura.ne.jp(☆を@でおきかえてください)
多言語化現象研究会事務局:  http://www.tagengoka.sakura.ne.jp/
研究会ホームページ:http://tagengoka.sakura.ne.jp/ (新しくなりました)


投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-6-6 23:55:14 (869 ヒット)

多言語社会研究会第76回東京例会を、下記の通り開催いたします。

みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

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第76回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2018年6月23日(土)午後2時〜6時
場所:東京大学東洋文化研究所 3階第1会議室304号室
   http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円


報告者1 中野隆基(東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士課程)

「儀礼的発話としてのベシロ語の『説教』の生成と翻訳: ボリビア東部低地コンセプシオン市における歴史・文字・教育政策の交差する場で」(仮)

 本発表では、ボリビア東部低地に居住する先住民チキタノとその使用言語ベシロ語の歴史的経緯と現状についての報告を通して、独特なリズムやイントネーションの発話を伴う儀礼的なコミュニケーションであるベシロ語の「説教」が、,匹里茲Δ蔑鮖謀経緯で成立し、∈Fいかなる影響を受けながらどのように生成しているのか、そしてこのような事例が人類学の先行研究の視点によってどの程度説明可能なのか、を考えていきたい。
 .船タノとベシロ語の成立を理解するには、当地で17世紀末から18世紀中ごろにかけて行われた、イエズス会による先住民集住化政策と言語統一政策を考慮する必要がある。多様な言語やスタイルで生活を営む諸集団を前に、宣教師は布教を効率化するため、当時最も多くの話者に使用されていた言語である「チキト語」を標準語として整備し、諸集団を集住化させて一元的に「チキト」と名付けた。独特なリズムやイントネーションを伴い、在来の諸集団の首長の演説と類似したスタイルをもつキリスト教の「説教」は先住民に広く受け入れられ、後に典礼や祝祭の組織を担う先住民典礼組織により現地語で実践されていくようになる。
 △靴し、このように説明される「説教」であるが、常に変わらず失われることなく維持・実践されてきた訳では当然ない。例えば、コンセプシオン市の場合では、赴任してきた神父と先住民典礼組織の折り合いがうまくいかず、先住民典礼組織の活動は一度取りやめになってしまったという。その後、新たに赴任してきた神父と地元住民との協働によって先住民典礼組織は再生し、そして「説教」に関しても、今日「脱植民地化」を目指す政府の法整備により学校や一般労働者に対して教えられるようになったベシロ語の教員が協力・実践するなど、様々なアクターの協働によって再生してきたのである。
 K榿表では、文化人類学における知識・翻訳・言語の問題や「儀礼的発話」研究、あるいは言語人類学などの分野を参照しながら、これらの事例をどの程度説明可能なのかを検討していきたい。

キーワード ベシロ語、儀礼的発話、先住民言語政策、キリスト教、文化人類学


報告者2 藤井久美子(宮崎大学)

「東京の中国語景観」

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、東京では外国人観光客受け入れのための多言語対応が進展している。例えば、公共交通機関で使用される言語には英語・中国語・ハングル以外の言葉も見られるようになり、多様化が進んだ。また、表示の数も増えて、質(翻訳・内容)も以前よりは向上している。このような状況のもとで、東京の中国語景観も多数多種多様となってきているが、ここ数年に増加した多くの表示は観光客に向けたものであろう。では、生活者のための中国語景観はどのようになっているのであろうか。
 生活者という観点からは、東京の中国系コミュニティについての研究としてと、山下清海(2007)が挙げられる。山下は、第二次世界大戦後における東京在留中国人の人口変化を明らかにすることを目的として、『東京都統計年鑑』(東京都発行)と『在留外国人統計』(法務省発行)の中の「本籍地別外国人登録者」の統計を用いて、人口の推移を把握し、時期区分を行い、さらには、在留中国人の出身地についてもその推移を明らかにした。他に、陳碧珠(2006)は、東京・横浜地域における華僑・華人のコミュニティや言語生活について概観した。近年の中国での研究としては、吕斌(2017)が、日本社会の言語問題を論じるのに東京の言語景観を分析するという手法を用いている。
 本研究は、最終的には東京における老華僑と新華僑の言語生活の差異を言語景観の分析から明らかにすることを目指すものであるが、今回の発表では、まずは山下(2007)以降の人口動態を明らかにし、特に中国人の住民登録の多い区の代表的な場所(区役所・駅など)の言語景観について分析を試みる。

キーワード 東京 中国人 言語景観 オールドカマー(老華僑) ニューカマー(新華僑)


投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-3-1 10:36:59 (1532 ヒット)

第75回多言語社会研究会(東京例会)
(東洋文化研究所班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」との共催)
日時:2018年4月21日(土)午後2時〜6時
場所:東京大学東洋文化研究所三階第一会議室
   http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円

報告者1:中島武史(大阪府立中央聴覚支援学校教諭)
題目:ろう学校の存在意義‐ろう児にとって、日本社会にとって‐
要旨:本発表では、ろう学校(聴覚特別支援学校)の存在意義について、,蹐児にとって、日本社会にとって、という2点から考えてみたい。ろう学校は、教育制度上の枠組みでは「聴覚の面で特別な支援が必要な学校」、つまり「聴覚障害児のための学校」というかつての障害児教育の系譜に位置する学校として一般的には知られている。近年では、インクルーシブ(包含)教育理念によって、聴覚障害児が聴覚特別支援学校ではなく地域学校園への入学または転出をする傾向が強まり、聴覚特別支援学校の在籍数は減少傾向にある。また、多種の特別支援学校と統廃合される兆候がある。しかし、聴覚特別支援学校を手話という日本語とは異なる言語を中核に運営される学校という捉え方をした場合には、ろう学校という場は、種々の課題はあるものの、ろう児にとって必須の教育機関である( 砲世韻任覆、ろう学校とそこで学ぶろう児の存在が日本社会内部の多言語性を地域の学校園に通う聴児とその保護者、地域の学校園の教育関係者らに認識させる社会的機能を発揮する可能性(◆砲あると考えられる。発表時には、主に△療世鮹羶瓦肪者の経験からまとめたい。


報告者2:田中孝史(東京外国語大学)
題目:マリ語(ウラル系)に将来はあるか?
要旨:ロシア固有のウラル系民族であるマリ人の言語、マリ語について、主に以下の3つに関して報告を行う。1)マリ語使用の現状について。マリ語そのものの紹介も含め、現在の言語使用の実態を、報告者が初めてマリを訪れた1992年からの25年間の変遷や、言語景観の紹介も交えて報告する。2)マリ語の維持に関する展望について。連邦政府による知事の任命や土地の文化と無関係な記念碑などの建設といった昨今のロシア連邦の政治的動向や、「合理化」の名を借りた民族語教育の中止、縮小などに触れつつ、今後のマリ語の維持について考察する。3)マリ語の「主要な」方言の一つである、北西方言の復興について、過去10年程度の現地の活動家が行ったことについて、マリ語が公的な地位を持つマリエル共和国外で話されている方言の復興に関わる困難について報告する。

キーワード:マリ語、ウラル系、言語の復興、言語の維持、言語景観


投稿者: webmaster 投稿日時: 2017-12-12 19:40:24 (1226 ヒット)

第74回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
日時:2018年1月27日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円

報告者1:吉田真悟(一橋大学大学院言語社会研究科博士課程)
題目:現代台湾語書き言葉の多様性と規範形成
要旨:台湾(閩南)語の正書法を巡っては、これまでに様々な主張・実践がなされて来た。書記対象言語が(中国語との)ダイグロシア状態にあること、また使用される文字が(漢字とローマ字による)ダイグラフィアを成していることから、書かれた台湾語は複雑かつ興味深い発展を遂げている。報告者の研究は、多様性と規範形成の流れが混在する現在の台湾語書き言葉の実態を、巨視的レベル(社会の中での使用状況)と微視的レベル(文字・表記上の特徴)の両面から明らかにしようとするものであり、今回はその現時点における進捗を報告する。
キーワード:台湾語、書き言葉、ダイグロシア、ダイグラフィア、漢字

報告者2:小田 格(大学基準協会)
題目:中華人民共和国における漢語方言保護政策の諸相
要旨:本報告では、中華人民共和国(以下「中国」という。)において近年確認されるようになった漢語方言(以下「方言」という。)の保護に関する政策を取り上げる。中国では、1980年代以降、標準中国語(普通話)の普及政策の下、社会の各領域において方言の使用が制限されてきた。その結果、2000年代中盤になると、各地で方言の衰退を危惧する声が聞かれるようになり、中国人民政治協商会議地方委員会や地方人民代表大会で方言の保護に関する提案もなされたが、こうした動きに対して当局は消極的・否定的な態度を示してきた。しかし、2012年に公表された「国家中長期言語文字事業改革発展計画綱要(2012−2020年)」(教語用〔2012〕第1号)では、一転して方言をも含む言語・文字の保護に係る内容が盛り込まれることとなったのである。本報告では、こうした計画が策定された背景や各地における事例などを確認・考察し、もって方言の保護に関する政策の内実に迫ることとしたい。
キーワード:中華人民共和国、漢語方言、標準中国語


投稿者: webmaster 投稿日時: 2017-11-29 12:12:47 (739 ヒット)

『社会言語学』XVII(2017年)が発行されました。
『社会言語学』刊行会

内容:
アメリカにおける多言語サービスと言語アクセス法--- クリントンの大統領令 13166 をめぐって ---
 角 知行

駅の表示における「多言語表示」の定量的研究--- 名古屋市営地下鉄の駅を事例として ---
 野田 実紀

日本手話の解放運動は何に力を注ぐべきか--- 手話言語法案/ことばと政治性/日本手話の獲得環境とろう教育 ---
 中島 武史

言語権からみた「日本語教育推進法案」の問題点
 杉本 篤史

中学校「国語」・「英語」教科書における「異文化間交流」像--- 「コミュニケーション能力の育成」の前提を問う(その 3) ---
 仲 潔/岩男 考哲

外国にルーツを持つ子どもたちへの言語教育支援--- 日本のバイリンガル・サポーターへの調査から ---
 大山 万容

日本語を教える「わたし」とその言語教育観について
 あだち ゆーこ

調査報告:
台湾の図書館とその周辺--- 日本の状況と対比して ---
 あべ・やすし

書評/書評への応答:
木村 護郎クリストフ 著『節英のすすめ 脱英語依存こそ国際化・グローバル化のカギ!』(萬書房、2016 年)
 唐須 教光

節英というひかえめでラディカルな営為
木村 護郎クリストフ 著『節英のすすめ 脱英語依存こそ国際化・グローバル化のカギ!』(萬書房、2016 年)
 かどや ひでのり

英語に厳しすぎか甘すぎか--- 『節英のすすめ』(萬書房、2016 年)の二つの書評への応答 ---
 木村 護郎クリストフ

「もと関西系テレビマン」による社会言語学的テレビ史
吉村 誠 著『お笑い芸人の言語学 — テレビから読み解く「ことば」の空間 —』(ナカニシヤ出版、2017 年)
 ましこ・ひでのり

「ましこひでのり氏の書評」に応えて
 吉村 誠

日本語能力主義をこえたとして...
クァク・ジョンナン 著『日本手話とろう教育 — 日本語能力主義をこえて —』(生活書院、2017 年)
 すぎむら なおみ

韓国手話言語法の制定とろう教育の課題について
 クァク・ジョンナン

移民政策を持たぬ国の「外国人人材」受け入れの実状と課題
布尾 勝一郎 著『迷走する外国人看護・介護人材の受け入れ』(ひつじ書房、2016 年)
 東 弘子

既刊号目次/本誌への投稿について
(頒価3000円/本体)


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