多言語化現象研究会 第59回研究会のおしらせ
日時 2015年12月5日(土) 午後1時00分−6時00分
場所 大阪大学 言語文化研究科 B棟1階大会議室(大阪大学豊中キャンパス)
参加費 500円 (資料代ほか)
1)報告者 秦石美 (チン シーメイ)(大阪大学言語文化研究科研究生) 1時00分−2時30分
テーマ:「積極的平和主義」の正当化ストラテジーに関する一考察 ―2014年安倍内閣施政方針演説の批判的談話分析を通じて― 」
<要旨>
安倍首相の施政方針演説において度々用いられている「積極的平和主義」の真意を探り、その正当性に関する説明や弁明がどのように述べられているか、批判的談話分析(CDA)の観点から明らかにする。本研究はFairclough(2003)の「正当化」のストラテジーの枠組みに基づき、2014年1月24日第186回国会安倍内閣総理大臣によってなされた施政方針演説の中の「積極的平和主義」に関する部分を取り上げ、自己の主張を正当化するための言語的ストラテジーについて考察を行う。その結果として、安倍は「転用」「権威化」「二分法」などのストラテジーを用いて「積極的平和主義」の正当化を図っていることが明らかになった。
(休憩 2時30分−2時45分)
2)報告者 クァク・ジョンナン(立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程) 2時45分−4時15分
テーマ:「韓国国会に提出された手話言語法案をめぐって――言語態度と言語権の視点から」
<要旨>
近年、日本と韓国ではろう者の言語的権利を法的に保障するため、手話言語法を制定しようという動きがある。特に、韓国の国会においては、2013年に「韓国手話言語基本法案」、「手話基本法案」、「韓国手語法案」、「手話言語およびろう文化基本法案」という4つの法案が提出されている。本報告では、言語態度と言語権の視点から、韓国国会に提出された法案やそれをめぐる言説に注目し、だれがどのような立場から手話を論じているのかを分析する。
(休憩 4時15分−4時30分)
3)報告者 根本峻瑠(神戸大学大学院人文学研究科) 4時30分−6時00分
テーマ:「オーストリア=ハンガリー帝国期トリエステの言語的多様性と国立ギムナジウム ―20世紀初頭を中心に―(仮)」
<要旨>
アドリア海に面する港街トリエステは、オーストリア=ハンガリー帝国随一の重要港湾であった。有名なコスモポリタン的イメージに示されるように、そこではドイツ系、イタリア系、スロヴェニア系、クロアチア系、ギリシャ系、ユダヤ系といった多様な人々が暮らし、その言語と文化もまた多彩なものであった。本報告では学校年報や日常語調査・住民調査記録を史料に、同市に置かれていたドイツ語による国立ギムナジウム(K.K. Staatsgymnasium)の事例から当時のトリエステの言語的多様性の一端を考察す る。
(研究会終了後、近くで懇親会を予定しています。)
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言語文化研究科B棟1階大会議室は正面玄関よりお入りください。
初めてのかたも歓迎します。準備の都合上、出席の方のみ、できれば懇親会出席の有無とともに、必ずメールで事務局までご連絡ください。特に質問などない限り出席通知には受領確認の返事はしませんのでご了承ください。
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