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三元社出版物
研究会からのお知らせ : 第69回多言語社会研究会(東京例会)【開催日:2016年10月22日(土)】
投稿者: webmaster 投稿日時: 2016-10-5 22:21:12 (388 ヒット)

以下の要領で第69回多言語社会研究会(東京例会)を開催します。ふるってご参加ください。

第69回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
日時:10月22日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円


報告1 貞包和寛(東京外国語大学大学院博士後期課程)
題目:「エスノレクト」の概念について ―米・ポ・日の言語学者の使用から―
報告概要:
 あらゆる学術分野は、その分野において重要な概念を表示・操作するために、分野独自の術語を用いる。このような術語は、我々が日常的に用いる言葉と比較的一致しているものもあれば、全く別のものも存在する。前者の例としては「方言」、「修飾」などが挙げられるであろうし、後者としては「統語」や「言語コード」などが挙げられよう。
 概して言えば、術語とは概念操作のための道具である。無論、ある術語の使用において、研究者の間でも意見の分かれる場合がたびたび見受けられるが、術語と言えど言語記号であり、恣意性から逃れられない。従って、使用する人間が異なれば、術語の意味する範疇も異なることは、ごく自然なことではある。しかしながら、時にそのような齟齬が、見過ごすことの出来ないほど著しくなる場合がある。
 本発表で注目する「エスノレクト」も、そのような術語のひとつである。「エスノレクト」という術語とそれが示す概念は、言語学では比較的近年になって用いられ始めたもので、本来的には 1980 年代にアメリカの社会言語学界において用いられはじめた ethnolect という術語に由来する。ポーランドでは 1989 年に Alfred Majewicz が、etnolekt という形でこの術語を導入し、以降は主にマイノリティ言語研究において頻繁に使用されるようになった。一方我が国では、2011〜2014年度に行われた科研費助成事業「エスノレクトから見る日本の多言語社会化」(研究代表者:藤井久美子)があるものの、いまだ十分に浸透している術語とは言い難い面がある。
 これら三つの概念、すなわち本来的な ethnolect、ポーランドの etnolekt、そして日本の「エスノレクト」は、字面から一見すると表記上の違いしか存在しない。ところが実際には、この三者の間には大きな概念上の差異が見受けられる。端的に言えば、以下のようにまとめられよう:
1. 社会言語学一般:移民の言語習得に際して観察される母語の影響の総称
2. ポーランド:「言語」か「方言」か、帰属の分かれる言語に対する中立的呼称
3. 日本:所与の社会における多言語性を記述するための概念装置
 本発表では、これらの差異をより詳細に分析する。その上で、これらの差異の背景には研究者のどのような意図があるかを明らかにしたい。
キーワード:エスノレクト、ターミノロジー、移民、ポーランド


報告2 沓掛沙弥香(大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程)
題目:多言語社会タンザニアにおける言語状況に関する一考察―6つの調査地の比較から
報告概要:
 タンザニアは、国内に120以上の民族・言語を抱える多民族・多言語国家である。一方で、アフリカ大陸固有の言語であるスワヒリ語が唯一の国家語とされ、国民のほとんどが肯定的に受容し使用している状況がある。しかし、近年の傾向としては、英語使用を重視する傾向が強まっている。また、120以上あると言われる民族語に関しては、具体的政策は打ち出されておらず、多くの民族語がゆるやかに衰退を続けている。
 報告者はこれまでの研究において、先行研究で都市部のみの問題として語られてきた英語偏重主義的態度が農村部にも見られ始めたことから、全国的な英語志向の高まりを指摘した。一方、2014年ごろから、タンザニアの言語政策においてスワヒリ語使用を推進する動きへの揺り戻しが目立つようになった。これらの背景には、グローバル化に伴う英語の重要性の増加と、世界的な母語教育奨励の動きがあると考えられる。このような世界的潮流の中で、タンザニアの人々はどのような言語使用を行い、どのような言語態度を示しているのだろうか。
 今回の報告では、まず、タンザニアにおける言語状況を歴史的に整理する。その上で、報告者が2015年9月から12月と2016年7月から9月の合計7ヶ月間に行ったタンザニア南部地域の6つの調査地でのフィールド調査から、人々の言語使用と、言語態度について社会的背景を踏まえて考察を行う。さらに、多言語社会タンザニアにおける英語の浸透の可能性と、民族語存続の可能性を考察する。

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