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三元社出版物
研究会からのお知らせ : 第77回多言語社会研究会(東京例会)【開催日:2018年10月27日(土)】
投稿者: webmaster 投稿日時: 2018-8-16 16:21:50 (286 ヒット)

多言語社会研究会第77回東京例会を、下記の通り開催いたします。

みなさまふるってご参加いただきますよう、お願いいたします。

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第77回多言語社会研究会(東京例会)
日時:2018年10月27日(土)午後2時〜6時
場所:東京大学東洋文化研究所 3階第1会議室304号室
   http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
資料代:500円

<報告1>
タイトル:塀の中の多言語世界―職業としての司法通訳を問う
報告者:高畑 幸(静岡県立大学国際関係学部)
概要:訪日外国人や定住外国人が増加するにつれ、被告人や証人など、外国人の訴訟関係者が法廷に立つ機会が増えている。国際人権規約および刑事訴訟法により、日本語を解さない被告人や証人には国費で通訳人が雇われる。法廷通訳人は法で定められた存在であり、通訳人不在では開廷できない。しかし、法廷通訳の担い手は年々減少している。それはなぜか。警察、検察、法廷などで働く司法通訳者の仕事を概観しつつ、訪日および定住外国人を言語の側面からケアする人材の育成と維持の課題を考えたい。


<報告2>
タイトル:言語権と法学的課題
報告者:杉本篤史(東京国際大学国際関係学部)
キーワード:言語権・言語政策・国際人権法・日本国憲法
概要:日本ではこれまで言語に関する政策や法令が全くなかったわけではないが、そこには統一的な言語観はなかった。例えば、刑事訴訟法175条は「国語に通じない者…には、通訳人に通訳をさせなければならない。」とする一方、176条では「耳の聞えない者…には、通訳人に通訳をさせることができる。」としている。ここでは国語とは何かを定義していないばかりか、非日本語音声言語話者に対しては通訳を必須とする一方、聴覚障害者の場合には通訳をさせることができるとして、後者の通訳を受ける権利が十分には保障されていない。なお民事訴訟法154条では「口頭弁論に関与する者が日本語に通じないとき、又は耳が聞こえない者若しくは口がきけない者であるときは、通訳人を立ち会わせる。」とあり、両訴訟法における国語と日本語の両用語の関係は全く説明がない。また文字・活字文化振興法第3条2では「文字・活字文化の振興に当たっては、国語が日本文化の基盤であることに十分配慮されなければならない。」とあり、素朴で無邪気な、だからこそ始末に負えない音声日本語中心主義が垣間見えている。しかし、これは日本国が締結している諸国際人権条約における言語権の考え方とは相容れないものであり、この矛盾はいまなお放置されたままである。例えば、障害者権利条約の署名により2011年に改正された障害者基本法第3条3で「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保される…。」と規定されたが、上述の両訴訟法はこの障害者基本法改正よりも後年に改正されていながら、手話通訳の扱いには特段の変更は加えられず、公正な裁判を受ける権利としての聴覚障害者の司法通訳を受ける権利を正面から規定していない。他方、日本国は言語的少数者の権利に関する重要な国際条約である原住民及び種族民(Indigenous and Tribal Peoples)条約/ILO第169号条約や、すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約等を批准していない。本報告では、このような状況下でアイヌ文化振興法が制定され、そしていま「日本語教育振興法案」や「手話言語法案」が取りざたされていることの問題点、さらには、言語権概念を日本国内法体制に受容するための条件や課題について、報告者自身が抱えている研究上の課題も交えて、現状を報告したい。

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