直前のご案内となりますが、以下のシンポジウムを開催いたします。
みなさまの御参加を御待ち申し上げます。
日本女子大学学術交流企画 公開シンポジウム
「百年前の音を探し、甦らせ、聴く」
最古の日本語録音の在り処を求め、国内外を探し回る。
最新の再生機を創り、割れたロウ管から音を甦らせる。
そして、1900年パリ万博での新橋芸者衆の珍体験談や
いろは、都都逸、声色など、百年前の日本人の声を聴く。
日 時: 2005年11月5日(土) 午前10時30分〜午後5時
会 場: 日本女子大学 新泉山館 大会議室
午前10時30分〜正午 国内外博物館等のロウ管コレクション所蔵調査報告
午後1時30分〜5時 ロウ管再生装置の公開実験、1900年パリ日本人録音の全試聴
〈午前・午後とも参加自由、参加費無料、事前申し込み不要です。〉
主催 文部科学省科学研究費補助金・特定領域研究
「我が国の科学技術黎明期資料の体系化に関する調査研究」
(「江戸のモノづくり」)録音資料研究班
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 GICAS
(アジア書字コーパスに 基づく文字情報学の創成 COE 拠点)PHONARCプロ ジェクト
プログラム
午前の部10:30-12:00 研究調査報告
10:30- 開会挨拶および案内 清水康行(日本女子大学)
10:45- 1900-1901年に欧州で録音された日本語音声資料群
清水康行(日本女子大学)
11:20- 日本全国博物館等でのロウ管等初期録音資料所蔵状況
吉良芳恵・猪狩眞弓(日本女子大学)
午後の部13:30-17:00 国際シンポジウム
13:30- 挨 拶 後藤祥子(日本女子大学 学長)
13:45- 携帯型ロウ管再生装置デモンストレーション 伊福部達(東京大学)
コメント[ドイツ語、日本語通訳付き]フランツ・レヒライトナー(録音 アルヒーフ、ウィーン)
14:45- パリ民族音楽学研究所の録音コレクション紹介
プリビスラフ・ピトエフ (民族音楽学 研究所、パリ)
[フランス語、日本語通訳付き]
コメント[ドイツ語、日本語通訳付き] ゲルダ・レヒライトナー(録音 アルヒーフ、ウィーン)
16:15- 現存最古1900年パリ吹込み日本語録音の全てを聴く
清水康行・児玉竜一(日本女子大学)
問い合わせ先 〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1
日本女子大学文学部日本文学科 清水研究室
電話/FAX 03-5981-3532
E-mail shimizu@fc.jwu.ac.jp
多言語社会研究会会員各位
三元社/新刊のご案内です。
『批判的社会語用論入門-社会と文化の言語』
ヤコブ・L・メイ/著
小山亘/訳
572頁
A5判並製カバー装
本体価格5500円
語用論の社会学的転回
社会と文化、権力とアイデンティティーの視座から、
「ことば」の実践に切り入り、
現実の社会から遊離した「言語研究」の軛から、
「語用論」と「ことば」を解き放つ
「批判的社会語用論」の全体像。
原著は
Pragmatics: An Introduction Second Editionです。
この初版は、ひつじ書房から
『ことばは世界とどうかかわるか』
として、刊行されたものです。
今回は、大幅な加筆訂正の第二版となります。
目次など詳しくは
三元社HP
www.sangensha.co.jp
でご覧下さい。
(財)日本エスペラント学会第5回公開シンポジウム
http://www.jei.or.jp/hp/shimpo05.html
テーマ:日本人は「国際語」とどうつきあってきたか
〜ことばから見る西洋との格闘
パネラー: 國弘正雄(エディンバラ大学特任客員教授)
英語にとり憑かれた日本−その過去と未来
吉武正樹(福岡教育大学講師)
「国際語」思考と英語支配論の展望−日本・近代・批判
臼井裕之(日本エスペラント学会研究教育部員)
反英語思潮の同伴者としてのエスペラント
司会: 木村護郎(上智大学講師)
日時: 10月22日(土)午後2:40〜5:40
会場: 横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1−6)
JR京浜東北線・根岸線 関内駅南口から徒歩10分
横浜市営地下鉄 関内駅出口1から徒歩10分
地下鉄みなとみらい線 日本大通り駅出口1から徒歩1分
会費: 日本大会参加者/無料 一般/500円 学生・障がい者/300円
主催: (財)日本エスペラント学会
共催: 第92回日本エスペラント大会
協賛: 「週刊金曜日」
申込み・問合せ (財)日本エスペラント学会
電話:03−3203−4581
電子メール:esperanto@jei.or.jp(半角で)
在日朝鮮人研究会西日本部会第31回例会
■日時:2005年10月22日(土)10:30〜12:30(←時間にご注意!)
■会場:ココプラザ(大阪市立青少年文化創造ステーション)
JR新大阪駅東口より東南へ徒歩5分 06-6637-5421
http://www.kokoplaza.net/
■資料代:会員/学生無料・一般500円
■報告:玄善允(ヒョンソニュン)さん(大阪経済法科大学研究所事務室勤務。それ
と並行して、関西学院大学ほかでフランス語を教えて生活を凌いでいる。)
「在日」的経験とは何か
私は在日2世として生まれ育ち、今年で55歳になるのに、いまだにその経験を明確
に把握できたとは言えない。その間、解釈に努め、その過程を言語化してはきた。
「在日」の子ども、或いは青年にその経験がどのようなものとして映り、それをどの
ように意味変換をしながら生きてきたのか、それを特に「在日」の言葉を軸に考えて
みたのが、『「在日」の言葉』(2002年、同時代社刊)であった。また、「在日」の
日本人との関係、とりわけ「共生」を目指した挙動が地域社会でどのように受け止め
られ跳ね飛ばされるかを描いたのが近作『マイノリティー・レポート』(2005年、同
時代社刊)である。
それに次いで、ここ数年来、ある小文(関川夏央)に触発されて、『「在日」との
対話は可能か』(仮称)という本の完成に勤しんでいる。韓国・朝鮮通で名高い関川
の議論に対する不愉快さを基点に、在日的経験を改めて確認し、日本人との対話はど
のようにして可能かを探る試みである。それは同時に、「在日」と「在日」との対話
の試みでもある。章立ては以下の通りである。
1.在日文学について 2.関川夏央の「在日小説」について 3.李良枝の『由煕』評
価をめぐって 4.「在日」は「在日文学」を読まないという説について 5.「在日」は
日本人になるべきという説について 6.偉くなった物書きについて 7.「在日」の自
己批判について 8.帰化について。
今回はいまだ完成に至っていない最終の二つの章について、その骨子をお話し、ご
意見をお聞きしたいと思っている。決して研究といったものではない。長年の歴史的
な澱が沈殿し、心情的な軋轢も絡んだ問題に風穴を開けて、楽しく生きたいという願
望の所産に過ぎないのだが、これは私一個にとって長年の懸案であるから、これをう
まく書ければ解放されるかもしれない、と密かに思っている。
●在日朝鮮人研究会西日本部会●
藤井幸之助 masipon@nifty.com (半角で)
◇日時:2005年10月27日(木) 15:00〜18:00
◇会場:麗澤大学校舎1号棟6階 1603教室
(千葉県柏市光ヶ丘 2-1-1 常磐線各駅停車「南柏」駅下車バス5分)
◇講演者:
平高史也氏 (慶応大学総合政策学部教授)
「総合政策学から見た言語政策研究」
木村護郎クリストフ氏 (上智大学外国語学部専任講師)
「言語政策研究における人間疎外をこえるために」
司会: 山川和彦(麗澤大学外国語学部助教授)
◇参加費:無料
◇主催:麗澤大学言語研究センター(LinC)
http://www.fl.reitaku-u.ac.jp/LINC/
麗澤大学ホームページ
http://www.reitaku-u.ac.jp/
麗澤大学へのアクセス
http://www.reitaku-u.ac.jp/koho/sosiki/index04.htm
さらに詳細は
http://www.fl.reitaku-u.ac.jp/LINC/lecture2005_ja.html
みなさま
以下の要領で第31回多言語社会研究会(東京例会)を開催したします。
ふるってご参加ください。
記
○日時 2005年10月15日(土)午後1時〜5時
○場所 東京外国語大学本郷サテライト 7階会議室
*東京外国語大学本郷サテライトへの行き方:
地下鉄 丸ノ内線 本郷3丁目駅 下車 徒歩3分
あるいは、
JR中央線 お茶の水駅 下車 徒歩7分
地図は以下、でご覧下さい。
http://www.tufs.ac.jp/common/is/university/access_map.html
なお、遅れてこられた方は、入り口の扉がしまってしまいますので、
インターホーンでご連絡ください。
<報告者1>
木村護郎クリストフ (上智大学外国語学部)
<発表題目>
「少数言語話者の生活戦略と言語イデオロギー
−ドイツのスラヴ系少数言語ソルブ語の場合」(仮題)
<報告者2>
藤井久美子(宮崎大学教育文化学部)
<発表題目>
「台湾における有力言語の歴史的変遷について」(仮題)
※ 報告要旨は追ってお知らせします。
国立民族学博物館地域研究企画交流センター連携研究
「ユダヤ人アイデンティティーの形成と地域性」研究会
日時:2005年8月28日(日)午後2時から(おそらく午後6時頃まで)
場所:東京大学本郷キャンパス・法文1号館2階217室
研究発表(いずれも英語):
佐々木嗣也(バルイラン大学)
The Place of Modern Hebrew as a Lingua Franca of Jewish Studies
Paul Wexler(テルアビブ大学)
On the Creation of Jewish Languages by Non-Jews
※佐々木嗣也氏は、『ことばと社会』9号:特集バイリテラシーに
「イスラエルにおけるリテラシー」という論文を執筆されているそうです。
綾部恒雄(監修) 原聖、庄司博史(編)
『講座 世界の先住民族 -ファースト・ピープルズの現在- 6 ヨーロッパ』
明石書店、420頁、2005年(定価:本体4,800円+税)
多言語社会研究会の会員も多く執筆しています。
執筆者と内容目次は、下記アドレスにおいて確認できます。先住民族というよりは少数民族という枠組みで構成されています。
http://www.akashi.co.jp/Asp/details.asp?isbnFLD=4-7503-2134-6
在日朝鮮人研究会西日本部会第29回例会のご案内をお送りします。多数のご参加を
お待ちしています。また、お知り合いやメイリングリストなどへのご宣伝お願いしま
す。転送大歓迎!
■在日朝鮮人研究会西日本部会第29回例会
■2005年7月30日(土)16:00?18:30
■ココプラザ(大阪市立青少年文化創造ステーション)
JR新大阪駅東口より東南へ徒歩5分 06-6637-5421
http://www.kokoplaza.net/
■資料代:会員/学生無料・一般500円
■報告:加藤真理子さん(関西学院大学大学院総合政策研究科)
「「民族祭り」の社会的機能に関する一考察 ‐在日外国人と日本人との相互理解をめざして‐(仮)」
現在、日本における外国人人口は増加の一途をたどっている。このような背景のもと、日本各地で民族的な祭り(イベント)が行われている。それぞれの祭りには、発生した時代やその背景、祭りの主催者、公的な団体の参加・不参加、参加者、観客などさまざまな点で相違しており、多様である。このような、多様な性格をもった「民族祭り」を比較研究することで、その祭りの目的、関わる人々の意識、その意識の変容を浮かび上がらせることが可能ではないだろうか。そもそも祭りにはさまざまな社会的機能が考えられるが、そのひとつとして、疎遠になりがちなお互いの心をかよわせ、共同体成員としてのつながりを深めるために大きな役割を果たすことが挙げられる。歌や踊りが一同の心をひとつにまとめ、連帯感を深める働きが備わっているといえる。この点において、「民族祭り」の開催がきっかけとなり、地域に暮らすさまざまな文化的背景をもつ人々の存在を知ることができる。外国人が急増する日本社会における日本人と在日外国人との相互理解をより深めるためにも、「民族祭り」が果たす役割は大きいのではないだろうか。修士論文では、さまざまな「民族祭り」が日本人と在日外国人の相互理解を深めるためにどのような役割をもち、今後どのように展開されうるのかを検証していく予定である。今回はその中間発表として、日本における外国人問題のこれまでの概略とその中で発生してきたさまざまな「民族祭り」について紹介しようと思う。
また、8月以降、当研究会でご報告下さる方も募集しています。在日朝鮮人やマイノリティについての研究なら何でもかまいません。自薦・他薦をよろしくお願いします。
会員も募集中です。
年会費:一般5000円・学生3000円
(特典:『コリアン・マイノリティ研究』1部・例会参加資料代無料ほか)
三元社 新刊のご案内です。
『言語にとって「人為性」とはなにか -言語構築と言語イデオロギー:ケルノウ語とソルブ語を事例として』
木村護郎クリストフ/著
A5判上製カバー装/628頁/本体価格7000円
言語の「自然」視によって貶められた少数言語。日常的な言語使用から言語復興運動まで、少数言語の言語活動の分析から、意識性を不可避的に含む「人為性」によって、社会制度としての言語がいかに構築されるのかを明らかにし、
言語現象を把握するための新たな視点と、その理論的枠組を提示する。
目次など、詳しくは、三元社HPをご覧下さい。
多言語社会研究会会員と明記の上、
ご購入をお申し込みいただければ、
1割引きとなります。
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「多民族共生教育フォーラム・2005」賛同と参加のお願い
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<日時>2005年9月25日(日)10時30分〜26日(月)15時
<会場>神戸・私学会館(全体会)、神戸学生青年センター(交流会)
<主題>外国人・民族的少数者の教育権を実現しよう
<目的>
1.民族学校・外国人学校、それぞれの経験と現在直面している課題を共有する
2.上記の「課題」を、広く日本社会(および日本政府・国会・地方自治体)に発信する
3.阪神大震災を契機につくられた兵庫県外国人学校協議会の取り組みを共有する
4.この(第1回)フォーラムを契機に、学校間・市民団体とのゆるやかなネットワークを作り、学校間の情報交換、政府や自治体など関係機関への「共同要請」などを積み上げていく
<参加者>
(1)民族学校・外国人学校の教職員・保護者・卒業生
(2)外国人・民族的少数者の教育権に関心を寄せる市民、研究者、弁護士、NGO・NPО関係者
*今後の共同の取り組みに向けて率直かつ実質的な討論ができるように、参加人数150〜200人とする
<全体プログラム>
9月25日(日)
10:30〜17:00 全体会(私学会館)
18:00〜20:00 交流会-都道府県別の交流会(神戸学生青年センター)
(報告者および実行委員会、遠方参加者はセンターで宿泊=40人)
9月26日(月)
09:00〜15:00 外国人学校訪問(オプション)
<25日の全体会プログラム>
10:00 開場・受付
10:30〜10:40 開会あいさつ:林同春・フォーラム実行委員長
10:40〜11:10 「兵庫からの発信」
11:10〜11:30 基調報告:弁護士有志の会「外国人・民族的少数者の教育権とは」
11:30〜12:00 学校からの報告(1)
(1)朝鮮学校
(2)韓国学校
(3)中華学校
12:00〜13:00 昼食
13:00〜14:30 学校からの報告(2)
(4)ブラジル人学校:パウロさん
(5)ペルー人学校
(6)ELCC国際こども学校
(7)アメラジアン学校
(8)インターナショナルスクール
14:40〜16:40 パネルディスカッション「私たちの共同課題とは」
<司会>丹羽雅雄さん
<パネラー>田中宏さん/林同春さん/パウロさん/金東鶴さん/自治体(兵庫県あるいは大阪府)
16:40〜16:50 (目的2・3に沿って)まとめ
16:50〜17:00 集会アピール採択
*基調報告、学校からの報告、パネリストの関連資料は、当日配布資料に収録
*各学校からの報告内容などについて、事前に項目を決めて要請
*報告者以外で、当日参加してくれる学校については、紙上報告を呼びかける
<25日全体会の参加費>
1500円、学生500円、高校生無料(昼食と交流会費は別途)
ポルトガル語と英語の通訳を用意します。
http://ksyc.jp/taminzoku-f/index2.htm
************************************
■「多民族共生教育フォーラム・2005」申込書
8月末日までにFAX 078-821-5878か、Eメール hida@ksyc.jpあてにお送りください。
25日(1)全体集会 □参加 □不参加
*同時通訳が必要な方は □英語 □ポルトガル語
(2)交流会兼夕食 □参加 □不参加
(3)神戸学生青年センターへの宿泊 □必要 □不要
26日(4)学校訪問 □参加 □不参加
お名前
住所 〒
TEL/FAX/e-mail
************************************
■賛同のお願い
フォーラムを開催するにあたり、学校関係者への交通費補助や資料集の作成など、
多くの費用がかかります。ぜひ賛同のほうもお願いします。
賛同金●個人:2000円(参加券1枚つき)
団体:5000円(参加券2枚つき)
郵便振替口座番号● 00910−4−223286
口座名● 多民族共生教育フォーラム
8月末日までに、「名前か団体名」「住所」「口数」「名前の公表の可否」を明記し
て振り込んでください。
<主催>「多民族共生教育フォーラム・2005」実行委員会
(代表:林同春/事務局長:飛田雄一/事務局次長:師岡康子)
<後援>外国人学校・民族学校の問題を考える弁護士有志の会(共同代表:新美隆/
丹羽雅雄)、兵庫県外国人学校協議会など
<連絡先>神戸学生青年センター
〒657-0064 神戸市灘区山田町3-1-1 TEL 078-851-2760 FAX 078-821-5878
http://www.ksyc.jp
hida@ksyc.jp
関西で以下の研究会開催します。
・多言語化現象研究会 第24回研究会のお知らせ
2005年7月2日(土) 午後2時00分ー5時30分
国立民族学博物館 2階 第3セミナー室
(正面入り口から二階階段付近)
●報告者 金春男 (キム チュンナム)
(大阪府立大学大学院社会福祉学研究科)
題名:在日コリアン認知症高齢者への介護支援
-施設における「ケアワーカー」フォーカス・グループインタビューを通じて-
<要旨>
不自由な日本語、文化や生活様式の違いなどから日本の社会に馴染めないまま在日コリアン一世たちは、既に高齢期を迎えている。特に、認知症(痴呆)になると、以前はなしていた日本語が消え、韓国朝鮮語だけになってしまうこともよくある。このように周囲とコミュニケーションが困難になっても認知症のコリアンへの周囲の理解不足から、不安やストレスが増大し、症状を悪化させる高齢者も少なくない。そういった状況を踏まえ、介護スタッフへのグループインタビューを実施した。在日コリアン認知症高齢者への介護支援のため、配慮しなければならない点の調査の結果を基にし、これからの「適切なケア」のあり方を参加者と一緒に考えてみたい。
●報告者 寺尾聡 (テラオ サトシ)
(神戸大学大学院総合人間科学研究科)
題名:『ミランダ語‐辺境言語マイノリティの扱われ方』
<要旨>
1998年のポルトガル国会での「言語」としての承認を経て、ポルトガルにおける言語多様性のシンボル的存在となった「ミランダ語」について、以前は言語単一性が主張されていたポルトガルに認められるその他の言語多様性とあわせ概観する。そして、こうした例を通じて、「支配と従属」という政治的な構図を援用した言語分類の限界と、現象に応じ分類のパラダイムを超えた「言語共同体」の取扱いが必要となることを考察する。
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始めての方も歓迎します。出席予定の方は、準備の都合上、メールで事務局まで、ご通知ください。民博は一階と二階の一部が無料ゾーンで、二階の研究会場へは正面玄関から受付を通さず直接はいることができます。万博自然文化園は有料(250円)ですが、モノレール万博東口からは自然文化園を経由せずにこれます。研究会への連絡、質問は事務局の庄司へ直接お願いします。本研究会は民博事務とは一切関係ありません。
事務局 庄司博史 メール: hirshoji@idc.minpaku.ac.jp
電話:06-6878-8299(直) fax 06-6878-7503(研究部庄司)
研究会ホームページ http://homepage2.nifty.com/tagengo/
民博(交通機関):民博(交通機関)
:http://www.minpaku.ac.jp/museum/information/access.html
三元社 6月前半の新刊案内です。
『欧州諸国の言語法-欧州統合と多言語主義』
渋谷謙次郎/編
A5判上製カバー装/499頁
定価=本体価格7000円+税
ヨーロッパの多言語主義はどこまできたか
進行するEU統合のなかで、欧州各国は、自国の多言語・多文化状況に対応する環境・法整備をせまられてきた。欧州審議会および全欧安保協力機構で策定された言語的少数者関連の憲章・条約・勧告、ならびに主要14カ国における言語関連法規を解説とともに紹介し、ヨーロッパにおける多言語主義の現在を見る。
『ことばと社会別冊2号 脱帝国と多言語化社会のゆくえ』
原聖/編
A5判並製/320頁
定価=本体2500円+税
帝国と言語との関係は、抑圧する(した)側からの視点の検討は進んだが、抑圧される側からの視点は、限られたものである。第三世界の研究者、第三世界に研究の拠点を置く研究者による言語運動、言語政策の両面について国際シンポジウムの報告書。
目次など詳しくはHPをご覧下さい。
なお、多言語社会研究会会員は、1割引となりますので、メールなどでお申し込みの際は、多言語社会研究会会員と、明記下さい。そうでないと、定価販売となってしまいます。
また、24日頃には、
『言語にとって「人為性」とはなにか-言語構築と言語イデオロギー:ケルノウ語・ソルブ語を事例として』
木村護郎クリストフ/著
A5判上製カバー装/628頁
定価=本体価格7000円+税
が刊行となりますので、出来次第ご連絡いたします。
25日の研究会には、
3冊を見本としてお持ちいたします。
法政大学COEプログラムによる国際シンポジウム報告書「沖縄のアイデンティティ」が刊行されました。2004年3月上旬、一週間にわたって開催されたシンポで、報告書もA4版で460ページにのぼる膨大なものです。2日目午前に言語問題が議論され、私もこれだけは聞きにいきました。討議の際には、多言語社会研究会の沖縄での活動について、発言をしてあります(報告書にも記録してもらいました)。問合せ先は、法政大学国際日本学研究所nihon@hosei.ac.jp 電話03−3264−9682です。
原聖
平成15−16年度科研報告書「西欧諸国における地域分権・地域主義の動向とその社会・文化的影響」(代表者、宮島喬立教大学教授)が発行されました。英仏独西における近年の分権化の動向とその言語文化への影響力が語られています。研究代表者である宮島先生に問い合わせも可能ですが、私のほうにも若干部あります。お送りすることが可能です(ただし送料はご負担ください)。
原聖
CCC研究所(Institue for Cross-Cultural Communication)の崎谷満さん主宰の英文を主体とする雑誌Vox Propria 第5号をお送りいただきましたので、紹介します。崎谷さんは、人類遺伝子学と言語学を連結する研究をされており、活動拠点を最近になって、北海道の釧路に移されました。カタルーニャ語による論文が2点(そのうち1点は塚原信行さんによるもの)と、バスク、カタルーニャ、ウェールズの言語的多様性とY染色体の関係(崎谷さんによる)、ほかは日本国内の民族的多様性に関するものです。北海道に拠点を移されて、アイヌ語研究とその活性化活動もはじめられているようです。問合せ先は、崎谷満さん、msakitani_iccc@mac.com です。
以下の要領で第30回多言語社会研究会(東京例会)を開催したします。
ふるってご参加ください。
記
○日時 2005年6月25日(土)午後1時〜5時
○場所 東京外国語大学本郷サテライト 7階会議室
*東京外国語大学本郷サテライトへの行き方:
地下鉄 丸ノ内線 本郷3丁目駅 下車 徒歩3分
あるいは、
JR中央線 お茶の水駅 下車 徒歩7分
地図は以下、でご覧下さい。
http://www.tufs.ac.jp/common/is/university/access_map.html
なお、遅れてこられた方は、入り口の扉がしまってしまいますので、
インターホーンでご連絡ください。
<報告者1> 渋谷謙次郎 (神戸大学法学部)
<発表題目>
『欧州諸国の言語法』刊行によせて -言語法と言語権のゆくえ-
*『欧州諸国の言語法』は三元社より6月下旬に刊行予定
<要旨>
欧州の諸地域の研究者や少数言語の専門家達による共同作業である資料集『欧州諸国の言語法』が、間もなく三元社から刊行される見込みとなった(6月下旬予定)。本書は、主として人権分野を扱う欧州審議会と全欧安保協力機構における言語的少数者関連の憲章・条約・勧告を扱う国際法編と、旧社会主義国を含む欧州主要国の言語関連立法を扱う国内法編とからなる。このような資料集の刊行が可能となった背景として、ベルリンの壁崩壊後、1990年代の欧州で、人権の見地からも、また安全保障の見地からも、民族的・言語的少数者の権利保障が共通課題となり、関連した立法が各国でさかんになっていったことがあげられる。また言語的「少数者」の保護のみならず、グローバル化の下での「国語」保護指向も一定の諸国でみられ、そのことが、多言語主義や言語権の保障と緊張関係を有する傾向もみられる。本報告では、以上の動向をふまえ、『欧州諸国の言語法』の編者の立場から、多言語主義や言語権の行方について問題提起をし、参加者の皆さんと議論したいと思っている。
<報告者2> 伊藤正子 (大東文化大学国際関係学部)
<発表題目>
国民国家ベトナムにおけるエスニシティの変容
-中越国境地域のタイー族・ヌン族をめぐって-
<要旨>
国家により「少数」民族と位置づけられた人々が、国家の国民統合政策の下で生き、かつ国境を跨いで拡がる民族の世界にも住みながら、自分たちのエスニシティを変容させていく過程を論じる。対象としたベトナム東北山間部に住むタイー族・ヌン族と国家の関係は、民族意識が消え去り多数民族への同化が一方的に進むのではなく、エスニシティの活性化が起こりながら、同時に国民意識も強化される過程であった。前近代には、早期に移住してベトナムの影響を強く受け土地や官職を独占したトーと、遅れて移住してきたため小作人が多く中国の文化の影響を強く受けたヌンがいたが、フランスが民族概念を持ち込むと、それぞれトー(タイー)、ヌンという二つの「民族」と断定された。1940年代には多数民族キン族の革命家達もこの範疇を受け継ぎ、革命に協力的なトー族と、ベトナムに疎遠でフランスに操られやすいヌン族という枠組みを用いた。この時期両者の境界は明瞭で、逆にヌン族と華人の境界は不分明だった。しかしこの境界は八月革命後徐々に変わり始める。戦争の過程でかれらはベトナム国家の枠組を身をもって体験し、自治区設立や民族語政策など少数民族に配慮した政策、土地分配・合作社での共同作業など社会主義的政策、ベトナム語による公教育などの政策の影響を受け、国民としての統合が進展した。この過程で両者は平等な存在となり接近する。70年代後半中越関係が悪化すると華人は追放されるが、ヌン族は国家からタイー族と全く同様に扱われ、既に国民の範疇に入れられていたと言える。一方中越戦争後かれらは合作社を解体して供出していた土地を取り戻し、90年代には20万人近くが中部高原に勝手に移住したため、国家からみた理想的な「タイー・ヌン族像」は変化した。この移住は南北分断時に中部高原へ移住した同郷者ネットワークを活用し新生活を切り開こうとしたものだった。同時に中国側の壮族との民族ネットワークも利用し国境貿易の端緒も開いた。国境貿易の隆盛と共に、以前のように教育を受けベトナム社会内で浮上する道ではなく、民族の世界を足場に豊かさを求める動きが一部に出ているが、民族の世界もまた以前とは異なり国家関係に規定されたものとなっている。エスノナショナリズムが国際的に噴出している現在、エスニシティの活性化が分離・独立と直結しない例を提示するタイー族とヌン族のあり方は、着目するに価する。タイー族・ヌン族は、以上のように法制度や教育、優遇政策など未来志向の少数民族政策を通じてベトナム国家に国民として取り込まれてきた。しかし、国家は歴史的な「民族の英雄」をベトナム史の中に位置づけて、通時的にも国民として統合されてきたとかれらに意識させることには成功していない。この「英雄」は、いまだ中越両王朝の境界が明確でなかった10世紀に国境地帯に独自王朝をたてた儂智高で、ベトナム李朝と厳しく対立し、宋朝に何度も服属を願ったが許されなかったため宋とも戦い、結局雲南に敗走した。この事跡がベトナムの歴史上の「英雄」の条件を満たさないため、地元の要望もむなしく、彼は中央から無視され国家の通史から排除されたままである。通時的な国民統合は、民族という尺度からは自由だった世界を、現代のナショナリズムによって判断することになるため最も困難であり、国民統合のイデオロギーのありさまをあぶり出しているとも言える。
三元社からの書籍情報です。
1月以降の新刊をご案内いたします。
●多言語社会研究会会員の著作
『あたらしい自画像 「知の護身術」としての社会学』
ましこ・ひでのり/著 本体価格/1800円
●社会言語学関連
『中国の地域社会と標準語??南中国を中心に』
陳於華 /著 本体/3100円
●その他
ドイツ文学に興味のある方
『トーマス・マン物語---少年時代からノーベル文学賞まで』
クラウス・ハープレヒト/著 岡田浩平 /訳 本体/7800円
美術史、フランス史関係に興味のある方
『アカデミーとフランス近代絵画』
アルバート・ボイム /著 森雅彦/阿部成樹/荒木康子 /訳
本体/5500円
レトリックに興味のある方
『メトニミーの近代』
樋口桂子/著 本体/2300円
詳しくはHPの紹介をご覧下さい。
原聖です。
関連学会ということでもありませんが、3月の沖縄例会で報告していただいた比嘉さんからニュースが届いています。10日ほど前のニュースになりましたが、投稿しておきます。
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はゐさゐ光龍やゐびん
このメールは添付ファイルを付けたメールです。
ウイルスではねられる可能性もあると思いもう一つ送らせて貰いました。
もし時間がありましたらコピーアウトしどんどん宣伝御願いします(笑)
あつかましくてすいません(笑)
比嘉光龍
実はラジオ番組を持つ事になりました。
沖縄のAM放送は2つのラジオ局しかありません。
ひとつは琉球放送で、もうひとつが、ラジオ沖縄。
私はこのラジオ沖縄で番組を持つ事になりました。
ラジオ局:ROKラジオ沖縄 AM放送
周波数:864kh
曜日:日曜日
時間:午後1時半から3時半迄 2時間生放送
題名:民謡の花束「光龍ぬピリンパラン日曜日」
言語:光龍はすべてうちなぁぐち、相方は日本語で
実はこの民謡の花束という番組40年も続いている人気番組なんですが、今までは月曜から金曜までやっていたのが、土曜日と日曜日だけになってしまったんです。
土曜日は新しい沖縄の歌をかけて、日曜日は私の独断ではあるのですが、30年以上前に録音された沖縄の民謡、そのなかで古典音楽もかけるコーナーも、一つもうけました。
だから日曜日は新しい歌はかかりませんが、その代わり古きよき時代の沖縄を再現できたらと思っています。
私はこの二時間すべてうちなぁぐちを使います。
相手のアナウンサーが日本語でCMや御知らせをしてくれますので、私はすべてうちなぁぐちで番組を進める事ができます。
すべてうちなぁぐちでOKというのもなかなか大手のラジオ局では難しいことですが、こういう事をできるのもラジオ沖縄さんと相手のアナウンサー「島袋幸子(ゆきこ)」さんに大感謝です。
さて番組で新しく三つのコーナーを私が作りました。
一.大節(うふぶし)とぅ連(つぃ)りてぃ
琉球古典音楽をかけるコーナーです。
二.語やびらうちなぁぐち 使(ちか)やびらうちなぁぐち
うちなぁぐち講座をやっています
三.昔唄、覚出(うびぅんじゃ)ちなーびら
主に戦前の大御所の唄をかけています。普久原朝喜さんなど。
さて4月17日の日曜日にかけて曲目リストですが
一.戻り駕籠
(喜納昌永{喜納昌吉さんぬ親}、玉城安定、 城間ひろみ)
二.富原ナークニー・はんた原 (登川誠仁)
三.「早作田」上ぎ出し (奥間盛正)
四.ちぶみ (石原節子・城間ひろみ)
五.だんじゅかりゆし (でいご娘)
六.ゆすぬ花 (瀬良垣苗子)
七.ナークニー・山原汀間当 (嘉手刈林昌)
八.くじり格子
(歌、又吉盛保 台詞、高安六朗)
九.屋慶名くゎでぃーさー節・早嘉手久節
(普久原朝喜)
十.なーしび節 (玉城安定)
という感じです。
こういう渋い選曲でやっていますので、五十歳代以上の方々に支援されていくのではと思っています。
若い人もこれを聞いて昔うちなぁを堪能してもらえたらと思っています。
転送大歓迎です、あっちゃこっちゃに流して下さい(笑)
日時 2005年4月23日(土)午後2時〜5時
場所 東京大学(本郷キャンパス)法文1号館219番教室
(正門から入構し、左側2つ目の建物の最初の入り口を入り、正面の階段を上った2階)
<報告者> 小山亘(立教大学)
<発表題目> 『現代語用理論と言語人類学の系譜: フレーゲ、パース、ボアスの末裔たちの現在』
<コメンテーター>名和克郎(東京大学)
<要旨> 本発表は、現代北米言語人類学の動向を、史的観点から、語用論と比較しながら、俯瞰的に紹介することを目的とする。まず、カント以降の人間学(人類学、心理学、言語学、論理学、社会科学)における言語研究の変遷を図式的に示した上で、ボアス以降の北米言語人類学の推移を概観し、特に1970年代中葉以降の展開について述べる。そして以上に基づき、この学党に特有の問題群を同定し、最後に、この学党の根幹をなすボアス、サピア、ウォーフの言語論を歴史的に再構する。
*東京大学本郷キャンパスへのアクセス:
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
*法文1号館の案内地図:
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html