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社会言語学関連
多言語社会関連
sociolinguistics
language policy
三元社出版物
投稿者: webmaster 投稿日時: 2016-5-22 6:39:40 (1617 ヒット)

多言語社会研究会例会を下記の通り開催致します。ふるって御参加いただきますようお願いします。


第68回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
日時:6月25日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円


報告1 脇阪 紀行(大阪大学未来戦略機構)
題目:薄暗がりの中の「ことばの暴力」
報告概要:
 2000年代初頭から顕在化したヘイトスピーチの運動に対して、社会全体の危機感が高まり、反ヘイトの運動やインターネット・プロバイダーによる規制、さらに2016年5月には、ヘイトスピーチ規制法が制定される。これによって、在日コリアンに象徴されるヘイトスピーチへの抑制効果が期待されるが、果たして、これでヘイトスピーチが根絶するのだろうか。
 日本には多くの懸念すべき状況がある。
 まず、在特会など一部集団によって在日コリアンや韓国・中国への差別・侮蔑を叫ぶデモは今なお続いている。ツィッターの言語分析や質問紙調査から、若者世代にレイシズムの偏見の存在を裏付ける研究もある。仮に差別的表現が今後、減ったとしても、差別をどこかで許容する感覚はなお潜み続けるのではないか。そんな懸念を裏付ける一つは、インターネット空間におけるヘイト表現である。在日コリアンのみならず、女性などへの嫌がらせの書き込みが後を絶たない。2016年3月に反響を呼んだ「保育所落ちた日本死ね」のブログでも、政府の待機児童政策を前進させる世論の後押しを生んだ半面、ブログに多くの女性蔑視、韓国批判の書き込みが見られた。
 これまでの研究から、インターネットへのヘイト表現を書き込むのは0・5%程度とみられ、「炎上」が起こるきっかけとなる書き込みをするのは、特異な性格をもった、ごく一部の人間だとされる。にもかかわらず、ネット空間で多くのヘイト表現が増殖している。
 フランスの社会学者ドニミク・カルドンは、ネットの普及によって公共空間の拡大と社会や民主主義の変容が起きていると指摘し、公共空間とは切り離された「薄暗がり」にとどまっていた人々の「つぶやき」や「おしゃべり」が、ネットによって、公共空間に広がる将来を楽観している。しかし、「陰口」や「憎悪表現」が公共空間に侵入し。「ことばの暴力」となっている現実を見過ごすことができない。
キーワード:ヘイトスピーチ、インターネット、薄暗がり、公共空間


報告2 山下 仁(大阪大学)
題目:ヘイトスピーチの問題を社会言語学から考える
報告概要:
 前発表に引きつづき、ヘイトスピーチの問題を取り上げる。本発表では、まず日本の社会言語学の分野ではあまりヘイトスピーチのような現象が取り上げられなかったことを確認する。これまでの社会言語学やポライトネス、あるいは語用論の研究者は、より良い人間関係を構築するためにコミュニケーションがなされる、ということを前提にして研究を行ってきた。それゆえ、ヘイトスピーチや陰口、あるいはヤジのような、よりよい人間関係を構築するのとは逆方向のコミュニケーションの問題は取り上げてこなかったのであろう。ところが、社会的なコミュニケーション上の問題は、よりよいコミュニケーションを研究しても解決することはなく、むしろ、コミュニケーションがうまくいっていない状況を研究するべきなのかもしれない。
 この点、研究というものが、「よりよい社会に貢献するべきものである」という暗黙の前提にたっていながら、結局そのような貢献からは遠ざかっているようにも思え、いくつかの考えるヒントを与えているようにも思う。
 他方、ドイツにはヘイトスピーチに関する研究書が多くある。そこで、まず、言語学の観点からヘイトスピーチを捉えたマイバウアーの議論を紹介する。ところが、音声学、形態論、意味論、語用論、ポライトネス、対照言語学といった観点からヘイトスピーチをとらえたとしても、あまり有意義とは思えないので、他のいくつかのドイツ語で書かれた論文を参考にしながら、問題の所在を考えてみたい。最後に、「ことばの暴力」としてのヘイトスピーチについて考えるため、「構造的な暴力」について語ったバベロフスキーの議論を取り上げる。
キーワード:ヘイトスピーチ、構造的な暴力、社会言語学


報告3:川島 隆(京都大学)
題目:「フクシマ」をめぐるドイツの新聞報道
報告概要:
 2011年3月の東日本大震災とそれに続く福島第一原発の事故は、ドイツでも大きく報じられた。その際、ドイツのマスメディアは地震・津波の被害を十分に報じず、その一方で原発事故に対して「ヒステリー」的な反応を示して読者や視聴者の不安と「パニック」を煽ったという見方がある(熊谷2011; Zöllner 2011; Coulmas & Stalpers 2011; Felix 2012; 川口マーン2013)。たしかに、ドイツにおける報道が他国と比べて原発事故に比重を置いていたことは、その後の研究で実証されている(林2013; Kepplinger & Lemke 2014)。しかし、その傾向はメルケル政権の原発稼働延長政策が議論を呼んでいたドイツの政治状況を反映したものであり、ことメディア報道のあり方がその後の脱原発の世論に決定的な影響を与えたという事実もない(Weiß, Markutzyk & Schwotzer 2014)。日本の原発事故をめぐるドイツの報道がセンセーショナルで感情的な「偏向報道」であったとの見解は、それ自体が感情的な臆断にすぎないのである。
 以上の前提に立ち、本発表では、「ヒステリー」および「パニック」という言葉が日本の震災と原発事故をめぐる文脈でどのように用いられたかを、ドイツの有力な全国紙を例に検証する。取り上げるのは、原発に批判的な中道左派の『南ドイツ新聞』、原発推進の立場をとる右派の『ヴェルト』、および原発推進から脱原発へと主張を変化させたリベラル保守の『フランクフルター・アルゲマイネ』の三紙である。新聞記事および読者投稿の分析を通じ、ドイツ人は放射能のリスクに対して過剰に反応する(「ジャーマン・アングスト」)という、原発推進派が反原発・脱原発派を揶揄するにあたり動員される言説の枠組みに上記の言葉の使われ方が合致することを示す。ひいては、こうした言説が、異なる立場の人々のあいだの対話を阻害するコミュニケーション断絶の手段となっている事態について考えてみたい。
キーワード:原発事故、新聞、「偏向報道」、ジャーマン・アングスト、言説分析


投稿者: webmaster 投稿日時: 2016-2-3 19:48:04 (1171 ヒット)

第67回多言語社会 研究会(東京例会)のご案内
日時:4月23日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト5階セミナー室
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円

報告者1:岡村健介(獨協大学大学院外国語学研究科ドイツ語学専攻研究生)
題目:「『想像の共同体』を用いた言語復興プロセスの理論化の試み――ドイツ・ソルブ学校における言語実践と共同体イメージ」
報告要旨:
 UNESCOによれば、現存する6,000言語のうち約2,500言語が消滅の危機に瀕している。こうした状況の中、世界各地で言語復興活動が行われているが、言語復興はどのようなプロセスをたどり、どうすれば成功といえるのだろうか。本報告は、この疑問を出発点とし、言語復興プロセスを理論化することを目的とする。
 まずは、言語復興プロセスの理論化に「想像の共同体」をどう応用することができるかを議論したい。ナショナリズムをめぐる議論の中でAndersonによって提唱された「想像の共同体」は、現在さまざまな分野に応用されている。その中でも第二言語学習への応用に関する議論をもとに、少数言語話者の言語選択や言語学習を左右する要因について考察し、言語復興がどのように進行し、そのために何が必要なのかを検討する。
 続いて、以上の議論に基づいて行った調査について報告する。報告者は、ドイツ東部の少数言語であるソルブ語が教えられている高等学校を訪れ、アンケート・インタビュー調査を行った。その結果から、ソルブ語話者であるソルブ学校教員や生徒、保護者の言語選択やソルブ語使用の実態、また彼らの持つソルブ語話者コミュニティーに対するイメージについて考察する。
キーワード:想像の共同体、言語復興、少数言語、ソルブ語

報告者2:二神麗子(群馬大学大学院教育学研究科 障害児教育専攻)
題目:手話言語条例にみる聾者の参画に関する一考察−他法案との比較検討から−
報告要旨:
 近年、「手話が言語である」ことを定め、手話の理解・普及を推進することを目的とする条例(手話言語条例)の制定が全国の地方自治体で広まりつつあり、平成28年1月現在、3県30市町村で制定され、今後も増加する見通しである。
 本報告では、(神28年4月1日施行の障害者差別解消法と手話言語条例の適用範囲について比較した上で、なぜ手話だけに特化した法律および条例が必要なのかについての、法制化の根拠について検討する。そして、⊂霾鵑悗離▲セスやコミュニケーションを保証する、いわゆる「情報コミュニケーション条例」と手話言語条例が両立する可能性を探るために、「手話言語・障害者コミュニケーション条例」を制定した明石市の条例を事例として取り上げる。その上で、6砲瓩萄て颪箸い錣譴覽聴発議による政策条例であり、当事者たる聾者団体が条文作成に深く関与しえた、群馬県と前橋市の事例を取り上げ、両条例の上程プロセスにおいて聾者がどのように関与し、その思いが条例に反映し得たのかを検討する。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2015-12-31 11:21:03 (2030 ヒット)

多言語社会研究会例会を下記の通り開催いたします。ふるってご参加ください。

第66回多言語社会 研究会(東京例会)のご案内
日時:1月30日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円


報告者1:ボルジギン・ムンクバト(千葉大学 特別研究員)
題目:「報告概言語とアイデンティティ−内モンゴルの牧畜地域における言語・文字使用の実態から−」
報告要旨:
内モンゴル自治区(以下内モンゴル)におけるモンゴル民族に対する教育の実状について、牧畜地域を中心に.皀鵐乾詭餌桶惺察↓▲皀鵐乾觚豢軌蕕鉢モンゴル語・文字の使用実態について実施した調査結果を分析する。モンゴル人学生の言語使用状況に関してアンケート調査を実施し現状を明らかにする。モンゴル語そのものの学習や教育について、都市部と牧畜地域の実態を比較しながら、モンゴル人が学ぶ「モンゴル語」とは何であるかを考察する。同時に、牧畜地域から町に移動させられた子どもたちの言語使用状況に関して、学生たちの日常生活における言語使用状況を「学校」、「家庭」、「友人間」、「買い物」と4つの場面におけるモンゴル語と漢語の使用状況を見る。さらに、文化生活においてメディアなどに接するときの言語選択について分析を行う。モンゴル語・文字使用やその伝承に強い信念と愛着を持つ少数の篤志家の地道な努力によって言語文化が守られている事例をあげ、関連法律条例の実態について考察する。
キーワード:内モンゴル、民族教育、モンゴル語と文字使用、アイデンティティ

報告者2:寺尾智史(宮崎大学教育文化学部 准教授)
題目:「初等義務教育での英語学習強制化と国語教育における漢字強要時間の必然的減少との相関についての考察」
報告要旨:
2011年度より、小学校において新学習指導要領が全面実施され、5・6年生で年間35単位時間の「外国語活動」、実質は英語の押しつけ(教育現場では一般的に「英語活動」と呼称)が必修化された。さらに、2020年完全実施のタイムスケジュールで、小3から英語活動は必修化、小5・6は成績がつく教科へと強化、移行が行われている。こうした中、隠れた「外国語活動」の側面を持つ「漢字教育」=「漢字活動」の質的・量的ダウンサイジングは必然と思われるが、この相関についての議論は抜け落ちてしまっている。ハラスメントや体罰とも言い得るドリル的な手法による漢字の習得が義務教育において強要され、強い嫌悪感を抱く多くの小学生、さらには全教科を教えることが前提の小学校教諭にとって、もし英語教育が今まで通りの漢字教育と同時並行して行われるようなことになれば、深刻な学習的、心理的負担および不安を惹起しかねない。これらの問題点を、英語教育、標準語教育に内包される形での漢字教育双方に強い疑念を持っている立場から論じる。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2015-8-27 16:27:59 (1192 ヒット)

多言語社会研究会例会を下記の通り開催致します。
ふるって御参加いただきますようお願いします。


第65回多言語社会 研究会(東京例会)のご案内
日時:10月24日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円


報告者1:朴貞蘭(パク・ジョンラン、大分県立芸術文化短期大学専任 講師)
題目:「朝鮮戦争期における戦時教材研究―初等学校の『戦時生活』シリーズを中心に―」
報告概要:
韓国における『戦時教材』の諸問題は、すでに2006年以降、ソウル大学 校国語教育研究所編著『国語教育100年史』機Ν供2006)や『未来を開く 国語教育史』機Ν供2007)などの国語教育研究所叢書シリーズにおいて指摘さ れているが、これらの韓国国内における教材研究は、常に朝鮮半島の歴史事情・状況を特殊項の範囲でしか論じていない、すなわち、同タイプ の戦時教材であっても、日本帝国時代の朝鮮総督府が製作したものは「植民教育政策」として批判し、朝鮮戦争時に作成された『戦時教材』 は、民族と国家のために「やむを得ない教育政策」であったという論理構図がみられる。しかし、これは、単なる教材における連続性のみなら ず、「被教育者としての民衆を抑圧し教育する側=権力者のヘゲモニーを隠蔽」する韓国における教育のメカニズムの問題として再検討される べきである。本発表では、戦時教材のなかでも韓国の教育界においてほとんど紹介されてこなかった『飛行機』、『軍艦』、『我々は必ず勝 つ』、『たくましい我が民族』、『我々も戦う』など、初等学校用の戦時教材を取り上げ、朝鮮戦争期における戦時教材の実態を考察してみた い。
キーワード:朝鮮戦争、戦時教材、「反共主義」、「分断イデオロギー」


報告者2:窪田暁(奈 良県立大学地域創造学部専任講師)
題目:「ふたつの移民言語: 象徴と資産―ドミニカ共和国の日本人移住者、国内の日系ドミニカ人の事例から―」
報告概要:
1956年〜1959年のあいだに1,300人の日本人がドミニカ共和国(以下、ドミニカ)へと移住した。現在、ドミニカには約800人の日本人とその子孫が暮らしており、100人あまりの日系人とその配偶者・子どもが日本にきている。本発表では、まず、現在もドミニカに暮らす日本人移住者1世の言語使用の実態を2世への継承とその意識に注目して明らかにする。ブラジルなどにくらべ日本人の絶対数が少なかったドミニカでは、2世とドミニカ人との通婚が要因で、日本語の使用頻度は急速に減少している。そうした環境のもとで高齢化する日本人移 住者が日本語をどのように使用しているのかを継承、意識といった面から明らかにしたい。
つぎに、日本に働きにやってきた彼らの子どもにあたる日系ドミニカ人2世・3世の言語使用の実態を、おなじく継承とその意識に注目して明らかにする。神奈川県の日系ドミニカ移民コミュニティで 調査をつづけるうちに、日系ドミニカ人が少数集団として生活するなかで、エスニック・グループや日本社会という枠組みから自由であろうと している様子が浮かびあがってきた。例えば、ドミニカ人はエスニック・グループとしての規模は小さいものの、スペイン語話者としてみれ ば、共通の母語をもつペルー人が近くに暮らしており、スペイン語は彼らとのコミュニケーションのためにも欠かせないものとなっている。ま た、地球全体で多くのスペイン語話者がいることを念頭におき、言語資産としての有用性を彼ら自身が認識していることがわかった。
本発表では、上記ふたつの事例をもとに、移民言語を継承の面から考察するなかで浮かびあがる象徴性と資産性に注目 し、とくに少数集団としての特徴について議論をすすめていきたい。
キーワード:ドミニカ共和国、日本人移民、言語継承、資源、象徴


投稿者: webmaster 投稿日時: 2015-5-30 15:19:28 (1215 ヒット)

多言語社会研究会例会を下記の通り開催致します。
ふるって御参加いただきますようお願いします。


第64回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
日時:6月27日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室
   http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円


報告1 西島佑(上智大学大学院博士後期課程)
題目:国家語の概念小史――「国語」へのオルタナティブとして
報告概要:
 日本語には、国家の言語を指し示す用語として、「国語」と「国家語」という2つの言葉がある。この内「国語」は、とりわけ90年代以降国民国家やナショナリズムとの関連で急速に理解が深まった。しかし、「国家語」の背景については、それほどよく知られているわけではない。
 国家語(Staatssprache)は、19世紀のドイツ語圏、とくに多言語主義を採っていたオーストリア=ハンガリーを中心に出てきた概念であり、多言語状態を前提としている側面がある。このStaatsspracheは、戦前に保科孝一を通して国家語と翻訳され、戦後田中克彦によって再発見されるという経緯がある。こうした過程は、「ひとつの国家に、ひとつの言語」の実現が謳われた「国語」の思想史とは異なる、多言語状態を前提としたもう1つの言語思想史があったことを意味している。
 本報告では、こうした多言語状態を背景として展開されてきた国家語の概念史を、オーストリア=ハンガリーのチェコ語問題の中から出てきた「シャールシュミット提案」、そして戦前の「保科孝一」、戦後の「田中克彦」のテクストを中心に読み解いていくことで明らかにしたい。
キーワード:国家語、国語、多言語主義、概念史、思想史


報告2:荻原まき(立教大学大学院博士後期課程)
題目:台湾原住民族の日本語の語り:記号論的視点からの「今ここ/過去」
報告概要:
 本研究では、台湾原住民族の日本語の談話(ミクロ)と、彼らが置かれていた時代背景(マクロ)から、彼らが日本語で「何を語るのか」、また「どのように語るのか」という点を記号論的視点から明らかにすることを目的とする。特に、その社会が大きく変貌した1945年の日本降伏前後という共時的な時間の視点でのナラティブ分析を試みる。戦後70年も経った現在でも統治されていた国の母語である日本語で、どうして「今ここ」、そして「過去」を語ることができるのだろうか。彼らにとっての「日本語の世界」というものは、一体どのようなものなのだろうか。
 先行研究では、そのほとんどが原住民族が話す日本語を文法的・使用状況的に分析したもの、日本語が変容していることを調査したものである。使用されている日本語そのものに焦点化し、その語り(ナラティブ)を通して何をしようとしているのか、すなわち「言語実践」に注目した研究はほとんど見られない。また「どのように語るか」という点を考えた際、非言語行為も重要な要素となることから、ジェスチャー等の非言語行為も一緒に分析することが必要だと考える。以上のことから、ミクロな視点である言語と、マクロな視点である社会背景の両方向から分析ができる記号論的視点で談話分析を行なった。
 その結果、ある原住民族Aの語りにおいて、日本の降伏を境界に人生が大きく変化し、当時の悔しい気持ちが「今ここ」においても連続していることがわかった。また非言語行為は、ダイクシスの指示内容を補完し、語りの中で、「今ここ」の語りと「過去」の出来事を効果的に結びつけていることも考察された。つまり、「今ここ」において「過去」を語る際、「過去」が「今ここ」においてもはや「過去」ではなくなっているといえるのではないだろうか。或いは、「過去」が連続体として「今ここ」に繋がった時、「過去」が「今ここ」と重なるという現象となるのではないかと思われた。
キーワード:台湾原住民族、語り(ナラティブ)、記憶、記号論、日本降伏


投稿者: webmaster 投稿日時: 2015-2-26 17:42:30 (1163 ヒット)

多言語社会研究会例会を下記の通り開催致します。
ふるって御参加いただきますようお願いします。

第63回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
(共催:東文研班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」)
日時:4月25日(土)午後2時〜6時
場所:東京大学東洋文化研究所  3階大会議室
   地下鉄 本郷三丁目駅から徒歩6分
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
  *会場が前回とは異なりますので、お気をつけ下さい。
資料代:500円

報告1 吉田達彦(ドイツ語学博士)
題目:質的研究としての会話研究 ―その原理・方法・応用
報告概要:
 会話研究には種々の展開方向性があり,各々の方向ごとに独自の発展経緯が見られる。私は,ドイツのDEPPERMANNの言う「エスノグラフィを指向した会話研究」(ethnographische Gesprächsforschung)を主題としたい。
 この理論の特徴は,人々の日常生活における社会的現実性の構築様態を探るため,事象を,体系的に基準化された会話分析法によって客観化した上で,参入観察としての人間の解釈によって記述し,統合的理解を図ろうとする点にある。この学術指向性は,原理的に社会学者GARFINKELによるエスノメソドロジー(EM)の考え方とも軸を一にする。EMとは,「質的研究」の体系における一つの方法論である。そこでは,ある(言語)コミュニティーにおける社会性の構築様態を解明するため,そのメンバー(ethnos)の日常的行為構築の方法性(method)の記述的解明が主題となる。
 私は,こうした理論的枠組みを伴う「質的研究としての会話研究」を,(1)原理,(2)方法(GAT2トランスクリプト法),および(3)応用(会話分析的ポライトネス研究)の各水準において概説し,この観点からの社会言語学的問題性に対する一つの接近可能性を紹介したい。
キーワード:(エスノグラフィーを指向した)会話研究、エスノメソドロジー、質的研究、会話分析的トランスクリプト法(GAT2: Gesprächsanalytisches Transkriptionssystem Version2)、会話分析的ポライトネス研究


報告2:劉鮮花(一橋大学大学院言語社会研究科大学院生)
題目:漢字統一会について――東アジアにおける漢字擁護の位相
報告概要:
 20世紀初頭前後の東アジアでは、近代化の波をうけて、漢字をどのように扱っていくのか、という問題が言論の場において大きな位置をしめるようになっていた。脱漢字のあり方は各「国語」の文脈において異なってくるのであるが、脱漢字への反論は、各「国語」の文脈をこえて、東アジア的に共有されることもあった。本報告でとりあげる漢字統一会はそのひとつの事例である。
 本報告では、日中両国の文字言語改革の歴史をふまえ、関係者である伊沢修二、張之洞と章太炎の視点から漢字統一会を多角的に論じ、「漢字統一」の動きの実体を明らかにしたい。従来は伊沢の視点が重視されてきたが、漢字統一会発足時の中国側の関与をより明確にし、さまざまな反応を示していたことを指摘する。そして、朝鮮側は距離をおこうとしていたこともあわせて指摘する。

キーワード:
漢字擁護 漢字統一会 伊沢修二 張之洞 章太炎


投稿者: webmaster 投稿日時: 2014-12-28 10:45:39 (1428 ヒット)

第62回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
日 時:1月31日(土)午後2時〜6時
場 所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室 http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
資料代:500円


報告1: なかのまき(国学院大学特別研究員)
題 目:漢字不可欠論と漢字廃止論の現在
概 要:
 「漢字を排してかなのみで日本語文を書くべきである」というかな専用論、「ローマ字で日本語文を書くべきである」というローマ字論といった漢字廃止論をとなえる人々の活動は現在もおこなわれており、これまでおおくの文献が蓄積されている。それに対して「日本語文は漢字かなまじり文でなければ書けない」「漢字かなまじり文のほうがかな専用文・ローマ字文よりすぐれている」といった漢字不可欠論が存在する。両者がどのような根拠をあげて論を展開していったのか、そして現在なぜ漢字不可欠論が主流となっているのかについて考察する。

キーワード【漢字不可欠論、漢字廃止論、かなもじ論、ローマ字論、国字論】


報告2:ましこ・ひでのり(中京大学)
題 目:言語論の知識社会学序説:広義の社会言語学の再確認
概 要:
 本報告の目的は、広義の社会言語学の領域として、いわゆる言語論(広義のメタ言語)を社会学的に記述・解析する方向性を再確認(方法論的議論)することである。
 報告者は先日、『社会言語学』誌上で《「戦後日本の社会言語学」小史》という副題をもつサーベイ論文を発表した。一方、過去には「近年の俗流言語論点描」という批判的レビューを連載している。これらをかきつらねてきたことをふりかえり到達したのは、つぎの点だ。

(1)社会言語学は言語現象の広義の政治性(科学性/イデオロギー性etc.)も対象化する以上、メタ言語(言語研究/言語論)自体の対象化がふくまれる。
(2)そこには、社会言語学的記述や言語学テキストの政治性の検討はもちろん、国語教科書・新書など一般むけ刊行物の同様な解析もふくまれる。
(3)広義の社会言語学が広義の言語論を対象化する構図は、知識社会学が「社会学の社会学」という自己言及的な視座にたどりついたのと同形である。

 本報告では、以上の様な整理をふまえ、既存の言語研究・言語論の政治性をいくつか検討したうえで、今後の展望を提示したい。

【キーワード】言語論,知識社会学,政治性


投稿者: webmaster 投稿日時: 2014-11-10 10:38:52 (4119 ヒット)

以下の要領で第8回研究大会を開催します。

【チラシダウンロード:PDFファイル2.7MB】

【予稿集ダウンロード:PDFファイル15MB】

【日 程】2014年12月6日(土)・7日(日)
【場 所】名古屋市立大学 滝子キャンパス1号館
     アクセスマップ
     キャンパスマップ
【参加費】1000円(どなたでも参加できます)
【テーマ】アジアのリンガフランカ
【趣 旨】
 リンガフランカということばにはさまざまな意味をもりこむことができる。この場でひとつの定義を与えることはしないが、アジア地域というこれまた漠然とした地理的範囲のなかで多くの言語変種がリンガフランカとしての役割を担ってきた。その発生の要因も、帝国的統治、植民地支配、宗教の拡がり、人の移動などが複合的にからみあったものであり、アジアという地域が経験してきた歴史ときりはなして論じることはできない。そしてまた、リンガフランカの機能も、形態も千差万別である。ことばが、境界をこえてひろがり、転変し、あるいは抗争していくダイナミズムや重層性に思いをいたすことができればと思う。

【プログラム】

<1日目>    大会テーマ講演および討論
13:00     受付開始
13:25     開会あいさつ 

13:30〜14:20 講演1:森山幹弘(南山大学) 「多言語社会インドネシア――植民地時代から現在への道のり」
14:20〜15:10 講演2:吉川雅之(東京大学) 「リンガフランカとしての官話の諸相」
15:10〜15:20 休憩
15:20〜16:10 講演3:桜井隆(元・明海大学)「近代日本にとっての国際共通語―ピジンと日本語」     
16:10〜18:00 質疑応答と討論
18:30〜    懇親会

<2日目>    個別研究報告およびミニシンポ
10:00〜10:45 CHANDRASEKERA DISSANAYAKE HERATH MUDIYANSELAGE PREMARATNA
        (スリランカ・ケラニア大学言語学科上級教師)
       「アジアの多言語国家であるスリランカの言語政策とリンガフランカの問題」

10:45〜11:30 大澤麻里子(東京大学大学院総合文化研究科・教養学部国際交流センター)
       「ドロミテ・ラディン語話者地域(イタリア)における複言語教育と少数言語教育」

11:30〜12:15 佐野彩(一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程)
       「フランスのリヨネ地方におけるフランコプロヴァンス語の言語運動と言語意識」

12:15〜13:30 昼食

        ミニシンポ「越境する少数言語の射程 -現代スペインにおける国家語と少数言語の対外普及政策-」
13:30〜13:40 総論  :萩尾生(名古屋工業大学)
13:40〜13:55 各論1 :長谷川信弥(大阪大学)カスティーリャ語(スペイン語)の事例
13:55〜14:10 各論2 :塚原信行(京都大学) カタルーニャ語の事例
14:10〜14:25 各論3 :萩尾生        バスク語の事例
14:25〜14:40 各論4 :柿原武史(南山大学) ガリシア語の事例
14:40〜15:30 総括討議:司会 佐野直子(名古屋市立大学)

15:30     閉会


投稿者: webmaster 投稿日時: 2014-5-21 8:26:06 (1223 ヒット)

第61回多言語社会研究会(東京例会)のご案内

日時:6月28日(土)午後2時〜6時

場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html


報告1 平畑奈美(滋賀大学)
題目:対外日本語普及における「母語話者性」の功罪
概要:
 世界の日本語学習者数は、2012年時点で136ヵ国・地域の約400万人である。そのうちの約80%が東/東南アジアに、約15%が北米・大洋州・西欧に存在する。日本語学習者の数は、世界の中で決して少なくない。しかし偏在する傾向が強い。これは、日本語が、経済大国と呼びうる国の言語であること、ではあっても汎用性が低いという特徴によるものであろう。前者の特徴が薄れつつある今日、日本はこれまでになく、積極的に対外日本語普及を行う(もう少し正直に言うならば、海外の人に日本語を学んでもらう)必要性に迫られている。対外日本語普及の重要な鍵の一つが、「母語話者日本語教師」であり、日本国政府もかねてより、公的に母語話者教師を海外に派遣していく努力をしている。
 ただ、どのような母語話者教師が必要とされるのかについては、わかっていないことが多い。そこで平畑(2014)は、世界5地域、41か国の代表的な日本語教師に、望ましい母語話者日本語教師の資質について尋ねた。もちろんその答えは様々ではあったが、その一方で、「北米・大洋州・西欧」と、「東/東南アジア、その他の国々」の二者で、望まれる資質に大きな違いがあったということが確認された。前者では、現地語能力、在住権、現地での学歴など、教師の資質以前のものへの要求が強い。後者では、母語話者教師の威信も必要性も比較的高く、そのような条件がつけられることが少ない一方で、「人間性」というものの保持への期待が繰り返し語られる。だが、ここで言う「人間性」とは、具体的には一体どのようなものなのか。
 今回は、この調査の結果について報告し、自国外で自身の母語を教える母語話者教師たち、そしてそこで、その土地のマジョリティであり、その土地の母語を操る者でありながら、「非」という言葉をつけて表現される非母語話者教師たちの間で立ち上る「母語話者性」の意味するものと、その功罪について、会場と共に考察を深めたい。


報告2 岡村圭子(獨協大学)
題目:ドイツ在住の日系児童における言語使用状況と帰属意識についての社会学的考察
概要:
 ドイツのデュッセルドルフ市は、欧州の日系企業が拠点を置き、日本国籍を持つひとびとが多く暮らす街として知られている。日系の飲食店が集中するエリアや日本人が多く居住する区域があり、日本語話者を対象としたサービスも多い。本報告の研究対象は、日本語母語話者の親を持ち、ドイツ語を母語として育つ児童である。報告者は、かれらが通うある補習校Aを2006年度から調査してきた。そこで提供される教育プログラムは、いわゆる日本人駐在員の子どもではなく、あくまで現地校・幼稚園に通う子どもを対象としている。さらに、Aの幼稚部(就学前児童のための日本語プログラムを毎週土曜日に実施)の入園者は、ここ数年増加傾向にある。日本語を継承語もしくはひとつの文化的な教養として身に付けさせるために、日本語母語話者の母親が積極的につれてくるケースが多いという。
 本報告では、そこでの参与観察とインタビュー調査から得られた知見をもとに、多言語環境に育つ子どもたちの言語使用の状況と日本語の学習環境について、さらにかれらがどのように日本語/ドイツ語を価値づけているか、かれらの文化的・言語的帰属意識はいかにして形成されていているかについて社会学的な分析を試みたい。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2014-2-2 16:59:37 (2359 ヒット)

第60 回多言語社会研究会(東京例会)のご案内

日時:2014年4月26日(土)午後2時〜6時
場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナー室
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html


報告1 穐山祐子 (一橋大学言語社会研究科博士後期課程)
題目:トルコ共和国建国期における文字をめぐる議論と「国民」認識
概要:
 トルコ共和国において推進された言語改革の端緒と位置づけられる1928年の文字改革は、オスマン・イスラーム的過去からの切り離しを視覚的に示すという意味で、一連の世俗化、近代化改革の中のなかでもきわめて象徴的な出来事であった。現代のトルコにおいて、文字改革の成功は共和国史の重要な1ページとして広く認知される一方で、評価者の政治的な立場を背景に未だその是非が論じられるテーマでもある。
 文字をめぐる論争は19世紀オスマン帝国の改革期に端を発しているが、長らく決着をみないままであった。しかし、矢継ぎ早に様々な改革がなされた共和国建国期において、文字改革断行への現実味は次第に増していく。こうした状況のなかで、文字改革への支持、あるいは不支持はどのような根拠から表明されたのだろうか。
 本報告では、1920年代になされた政治家や知識人の議論を、言語の姿と二重写しになったそれぞれの「国民」認識のズレに注目しながら考察したうえで、事実上改革の開始を宣言したムスタファ・ケマルによる「サライブルヌ演説」において、新しい文字表記がいかなる論理のもとで承認され、以後、共和国理念共有の指標としてひろめられることになったのかを検討する。


報告2 有江ディアナ (大阪大学大学院国際公共政策研究科 博士後期課程)
題目:スペインにおける移民の子どもに対する言語教育−母語教育の位置付け−
概要:
 本報告の目的は、スペインにおける移民の子どもに対する言語教育、とりわけ母語教育の位置付けを明らかにすることである。
 スペインにおいては、移民の子どもに対する教育施策の中に教育支援が含まれている。その主な内容として、彼らの学校や社会への統合を見据えた、スペイン語を中心とした言語教育である。これまで、移民の子どもの教育に関する教育支援施策を見ても、スペイン語教育は第二言語教育として、あるいは、外国語教育として位置付けることができる。
 母語教育については、各自治州の移民人口構成及び特定の国との協定に伴い、独自の施策が実施されている。他方、具体的な支援・取組みを中心とした施策については、すべての自治州でなされておらず、その内容に格差がみられることもある。また、特定の言語に限られた取組みのみがなされていることも多い。
 したがって本報告では、スペインにおける移民の子どもに対する国及び自治州レベルでの言語教育に関連した施策、とりわけ母語教育に関する取組みを検討し、その意義を探る。
【キーワード】スペイン、移民の子ども、言語教育、母語教育


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-12-16 11:06:43 (1601 ヒット)

第59回多言語社会研究会(東京例会)のご案内

日時:2014年1月25日(土)午後2時〜6時
場所:女子美術大学杉並キャンパス6号館2階第1会義室
〔いつもの会場とは異なりますのでご注意ください〕
○女子美術大学杉並キャンパスへの行き方:
地下鉄 丸ノ内線 東高円寺駅 下車 徒歩8分 地図は以下のアドレス参照。
http://www.joshibi.ac.jp/access/suginami.html


<報告1>
清沢紫織(筑波大学大学院人文社会科学研究科国際地域研究専攻)
題目 
 危機言語としてのベラルーシ語
   −−ロシア語優勢社会ベラルーシ共和国の言語状況と言語政策の実態
概要
 ヨーロッパの東端に位置する旧ソ連構成国の1つ、ベラルーシ共和国では、基幹民族語のベラルーシ語が、「国家語」という法的地位の高さにも拘らず、現在ユネスコによって消滅の危機にある言語という認定を受けている。背景にあるのは帝政ロシア時代、ソ連時代を通じて社会に広く浸透したロシア語使用である。本報告では、言語法や統計資料などの分析を通じて、ソ連崩壊と独立を経た現在も未だロシア語使用が優勢な現代ベラルーシの言語状況及び言語政策の実態を明らかにする。

<報告2>
岡本真希子(津田塾大学国際関係学科教員)
題目
 植民地官僚と現地語学習・通訳育成−−台湾語学習雑誌『語苑』を中心として
概要
 本報告は、日本統治期台湾の植民地官僚組織における現地語学習と通訳育成について、台湾語学習の教材を提供した月刊誌『語苑』を中心として検討する。『語苑』は「台湾語通信研究会」が1908年に創刊し1941年に廃刊、その歴代編輯長は法院(裁判所)通訳で、最盛期で4000部の発行部数を誇り、警察の語学教材としても影響力を発揮した。本報告はこの「台湾語通信研究会」に着目し、役員の履歴などの基礎的事項を「台湾総督府公文類纂」などの一次資料により明らかにし、併せて『語苑』の論調の変遷について検討する。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-11-8 10:29:36 (1145 ヒット)

第58回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
※台風接近のため延期になった回です。

日時:2013年12月14日(土)午後2時〜6時
場所:本郷サテライト3階セミナー室
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html

<報告1>
立花有希(たちばな・ゆき)(早稲田大学非常勤講師・博士 (教育学))
題目 ドイツ における移民の子どもの言語教育―就学前段階の支援 体制の分析を中心として―
概要
 2000年から3年おきに実施されているOECD生徒の学習到達度 調査(PISA)等、近年ドイツではさまざまな学力調査により、学校教育の抱える 課題が具体的に明らかになってきた。なかでも移民の子どもの学力不振に対する関心は高く、各州で支援体制が強化されている。その中心 にあるのは、支援の効果が高いとされる就学前段階および初等教育段階におけるドイツ語教育である。
 本発表では、就学前段階のドイツ語教育に焦点をあて、その制度と内容を概観し、これまでの成果と 課題について検討する。連邦制をとるドイツでは教育に関する権限は各州にあるため、就学前のドイツ語教育を支援する体制も州により異 なっている。幼児のドイツ語能力をテストし、就学までに必要なドイツ語能力を獲得するのが難しいと思われる子どもに対して教育的措置 を講じて、再度テストした上で就学するか一年猶予するかの判断をするという形式が広がっているが、言語診断の時期、対象、方法やドイ ツ語教育の編成、内容など州による相違点も多い。 各州比較 によって、授業言語を母語としない子どもに対する教育のあるべき形を探りたい。

<報告2>
徐秀瑩(じょ・しゅうほう)(金沢大学大学院人間社会環境研究科博士後期課程)
題目 『台湾省行政長官公署公報』と公報における日本語のあり方(仮)
概要
 今日台湾の言語使用状況から見ると、まずは多くの住民が使う北京語の発音をベースとした「国語」がある。その次に多く使われる言語が当地で「台湾語」と称された閩南語である。漢民族の客家人は「客家語」を用い、原住民はそれぞれの民族語を使用する。そして人々は場面によって使用言語を変更する場合もある。このような現象は台湾に存在する諸言語の歴史の長さや特定民族の人口によるものではなく、島を統治した政権が実施した言語政策の影響が大きいと見られる。
 このような現状からみると日本語は今の台湾にとって一外国語に見えるが、1895年、台湾は下関条約により日本に割譲され、その後50年にわたって日本政府に支配される過去があった。1945年の終戦時点において日本語は台湾で2/3の人口が共有していた。日本の後に台湾を統治する中国国民政府は言語が民族精神のシンボルであることを主張し、言語教育に力を注ぎ始めたが、人々が言語を習得するまでの間、政府は台湾の言語環境の整備を行う。
 本報告では台湾の戦後約一年半の間に存在した台湾省行政長官公署から発行された政府機関誌『台湾省行政長官公署公報』を用いて、政府の日本語への姿勢を明らかにする。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-7-23 12:01:38 (1675 ヒット)

多言語社会研究会第14回沖縄例会

日 時 :2013年9月15日(日)14時00分−16時30分
場 所 :沖縄国際大学(〒901-2701 沖縄県宜野湾市宜野湾2-6-1)
テーマ:「沖縄方言論」争再考

プログラム
 14時00分 原聖「親富祖恵子さんを偲んで」
 14時20分 パトリック・ハインリヒ「昭和15年の方言論争と現在の言語危機」
 14時45分  討論会(司会:佐野直子)
       発題者:親川志奈子、島袋純、石原昌英、知念ウシ、宮平勝行
       コメンテーター:ましこひでのり
 16時30分 終了(予定)

主催:沖縄国際大学、多言語社会研究会


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-6-3 21:29:38 (1121 ヒット)

第56回多言語社会研究会(東京例会)のご案内

日時:2013年6月29日(土)午後2時〜6時
場所:本郷サテライト3階セミナー室
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html

<報告1>鄭育子(ちょん・ゆくちゃ)(東京大学大学院人文社会系研究科)
在日コリアンにとっての継承語と韓国語教育−在日韓国学校における事例から

現在、世界15か国に韓国の正規課程の学校として認可された教育機関が30カ校存在します。これを韓国学校といい、日本には4校ありますが、このうち3校は日本の学校教育法第一条に定められた「学校」(「一条校」という)でもあります。本発表は、在日韓国学校「一条校」のうちの1校を調査地とし、そこでの韓国語教育の在り方を捉えることを目的としています。韓国学校ではこれまで、在日コリアンに対する民族教育の一環として韓国語教育が位置づけられてきました。「一条校」になって以降、教師たちは、在日コリアン学生、日本人学生、韓国からの留学生、極少数ながらその他の国からの留学生という多様な学生たちへの対応を迫られるようになり、継承語教育という枠組みにも変数をくわえざるを得なりました。また、在日コリアン学生にとって学校は、民族という明確な境界を見出すような空間ではなくなり、継承語としての韓国語に対する認識も多様化しています。このような現状のなか、韓国語教育がどのように解釈され受容されているのかについて、その変化と多様性を中心に検討します。


<報告2>田中翔太(たなかしょうた)(学習院大学大学院)
現代ドイツにおけるトルコ系移民が話すドイツ語−ドイツ人による「受容」の観点から

旧西ドイツは、1950年代半ばより外国人労働者や難民の受け入れを始めた。移民の定住などを通し、現在のドイツは他の欧州諸国と比較しても、移民の多い国である。しかしドイツ政府は2000年代に至るまで「移民国」であることを否定し、移民に対する社会的対策をじゅうぶんに講じてこなかった。その結果として、現在でも移民を取り巻く言語教育には問題点が多い。今発表で取り上げるトルコ系移民は移民の中でも群を抜き多く、彼らの話すドイツ語は、1990年代半ばまではドイツ社会において「無教養」で「ブロークン」なことばと揶揄される傾向にあった。しかし1995年に、トルコ系移民の出自を持つ作家FeridunZaimogluによりトルコ系移民のことばを収集した本が出版されたことをきっかけに、ドイツ社会においてトルコ系移民のことばに注目が集まった。その後、TVメディアや音楽においてトルコ系移民の存在がクローズアップされることで、トルコ系移民のドイツ語に対する評価が変わり、一部のドイツ人に受容され始めた。本発表では、トルコ系移民の話すドイツ語がドイツ社会にどのように受容されてきたのかについて、その過程の復元を試みる。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2013-3-7 13:11:11 (1382 ヒット)

第56回多言語社会研究会(東京例会)のご案内
○日時 2013年4月13日(土)午後2時〜6時
○場所 女子美術大学杉並キャンパス 6号館2階第1会議室
http://www.joshibi.ac.jp/access/suginami

<報告1>大塲麻代(大阪大学)
学校教育と社会―ケニアの北東部州を事例として―

本発表は、アフリカの未来共生について考察する一つの事例としてケニアの小学校教育を取り上げ、とりわけ未だ就学率が低迷している北東部州の要因を、正規学校教育カリキュラムと住民の学校教育に対するニーズの視点から分析することを目的とする。ケニアを含む多くのアフリカ諸国では、未だ小学校就学率が50%に満たない地域が存在し、その要因として貧困、民族、言語などの諸問題があげられている。ケニアの北東部州においては、遊牧民やイスラム教徒が多いこともあり、政府は、小学校教育をより人々の生活に即したものにするため、移動式学校や寄宿制学校を導入している。しかし、未だ就学率は低迷したままで、特に女子の間でその傾向が強い。本発表では、これまでの政府や援助機関による取り組みを再検証し、現地調査結果の一部を踏まえながら、住民の学校教育に対するニーズをカリキュラムに反映させる必要性について議論する。このような問題に取り組むことは、今後のケニアにおける教育、そして未来共生のあり方について考える上で、重要と思われる。


<報告2>亀田真澄(東京大学・日本学術振興会特別研究員)
セルビア・ヴォイヴォディナ自治州におけるブニェヴァツ人の言語文化

セルビア北部のヴォイヴォディナ自治州は、歴史的に多くの民族が定住してきた地域で、現在6言語が公用語に指定されている多言語地域です。旧ユーゴ地域では1991年に勃発した紛争によって国家の枠組みが変更され、民族の境界線自体が引き直されることとなりました。それによって、これまで少数民族の民族籍として利用されてきた「ユーゴスラヴィア人」というカテゴリーが実質的にはなくなり、公用語であった「セルビア・クロアチア語」も4か国語に分裂しました。ヴォイヴォディナ自治州北部に集住するブニェヴァツ人はセルビア人とクロアチア人のあいだに位置し続け、彼らが独自の民族と見なされるのかどうか、その公的ステータスに関しての論争が未だに続いています。本発表ではブニェヴァツ人の言語復興運動を、対立するふたつの立場に着目しながら紹介し、民族的アイデンティティーが死活問題ともなりうる政治的・社会的状況のなかでの文学創造のあり方について検討します。

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投稿者: webmaster 投稿日時: 2012-11-13 14:39:29 (3824 ヒット)

多言語社会研究会第7回研究大会
【日時】2012年12月1日(土)・2日(日)
【場所】女子美術大学杉並キャンパス
 http://www.joshibi.ac.jp/access/suginami
 2号館2310(1日目)・7号館7201(2日目)
【参加費】2000円
【予稿集】次のアドレスからダウンロードしてください(当日一部500円で購入できますが、準備数に限りがあります)。
       http://goo.gl/9Rczt
【大会テーマ】多言語社会とICT
【プログラム】

 12月1日(土)基調講演および大会テーマ報告[2号館2310]
 13:00-13:10 開始(挨拶)
 13:10-14:30 基調講演 吉野孝(和歌山大学)「ICTを用いた多言語間コミュニケーション(仮)」
 14:30-14:45 休憩
 14:45-15:45 石部尚登(名古屋市立大学)「「方言」の復権とICTの活用」
 15:45-16:45 中挾知延子(東洋大学)「ネットによりチュニジアの多言語社会は変わってゆくのか?」
 16:45-17:00 休憩
 17:00-18:00 上村圭介(国際大学GLOCOM)「ソーシャルメディアにおける多言語化対応の分析」
 18:00-19:00 吉川雅之(東京大学)「ネットワーク通信における音声言語の書写について──香港と台湾の比較」
 (懇親会)

 12月2日(日)自由テーマ報告[7号館7201]
 10:00-11:00 杉森(秋本)典子(カラマズー大学)「戦前システムの継続としての皇室敬語政策:宮内当局、新聞協会、国語審議会によるマニピュレーションの可能性」
 11:00-12:00 サジーワニー・ディサーナーヤカ(千葉大学大学院)「多言語国家スリランカの言語使用状況―西部州とウバ州における、シンハラ語話者とタミル語話者の場面別言語使用状況」
 12:00-13:00 ホワニシャン・アストギク(一橋大学大学院)「「新国字論」に関する一考察」
 (終了)


【大会テーマ趣旨】
 言語の歴史は収斂と拡散の歴史でもあり、特定の技術の発展普及がこれにインパクトを与えてきた。15世紀から16世紀のヨーロッパにおいて、宗教改革と結びついた活版印刷術の普及は、「俗語」の書記化と、それらが各地域で「共通語」化する道を開いた。ラテン語を中心とするわずかな言語に収斂していた書記言語が、活版印刷術を契機の一つとして、「俗語」に拡散したと言える。一方、その後の展開を見れば、「共通語」から「国民国家語」へというルートに乗り損ねた諸言語の多くは「少数言語」となることを余儀なくされ、これら言語の話者による言語乗り換えなどを通じ、言語的多様性は全体として徐々に「国民国家語」群へと収斂してきたとも言える。
 では現代のICT(Information & Communication Technology)は、言語的多様性の収斂と拡散のそれぞれに、どのような契機として機能しているのであろうか。インターネットは世界のかなりの地域ですでに社会的インフラとなっており、そのうえではさまざまな興味深い言語現象や言語活動が生じている。また、インターネットだけでなく、携帯電話などに見られるICTは、人のコミュニケーションのあり方を変えてきたようにも思われる。
 例えば、ウィキペディアが少数言語を維持振興するためのツールの一つとしても用いられていることはすでに知られている。なかでも、カタルーニャ語については、Amical ViqupèdiaというNPOが2008年に創設され、現在およそ60名のメンバーが、カタルーニャ語版ウィキペディアに関するワークショップや会合の開催、カタルーニャ自治政府との協力協定の締結といった様々な活動を組織し推進している。
 セネガルでは、1970年代にはすでにウォロフ語正書法が政府機関により一応定められていたが、成人識字プログラム以外でははとんど学ばれることはなく、普及にはほど遠い状況が長く続いていた。ところが近年になり、この正書法に則って記述されたウェブサイトが現れるようになり、これを参照し準拠する個人ユーザも増加することで、正書法ウォロフ語の使用が広がっている様子が観察されている。
 2012年6月、グーグルは、消滅の危機に瀕する言語(危機言語)に関する情報交換を促進することを目的とした"Endangered Languages Project(http://www.endangeredlanguages.com/)
を開始した。グーグルによれば、プロジェクトサイトを通じて危機言語に関する最新の情報にアクセスできるだけでなく、危機言語使用者自らが、テキスト・音声・動画といった形態による危機言語の情報を登録し共有することが可能となっている。
 こうした事例は「なぜ」「どのように」生じているのか。どのような動機や思想、態度(言語態度)が背景にあり、具体的な行動にどのように結びついているのであろうか。これらの問いを通じて、ICTの普及と言語的多様性との間に生じている関係性を展望してみたい。


投稿者: webmaster 投稿日時: 2012-10-13 7:08:26 (851 ヒット)

イベント情報
バスク語から世界へ――作家キルメン・ウリベを迎えて
日時:11月6日(火)18:00〜
会場:東京外国語大学府中キャンパス 講義棟115教室
概要:現代バスク文学の書き手として国際的に活躍する作家キルメン・ウリベ氏を迎え、10月に邦訳が刊行されたばかりの『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』(白水社刊)について、そして今日の世界文学におけるバスク語作家としての視点についてお話を伺います。バスク語による朗読も聴くことができるまたとない機会です。
〈第一部〉キルメン・ウリベによる講演と朗読
〈第二部〉鼎談
 キルメン・ウリベ
 今福龍太(東京外国語大学総合国際学研究院教授)
 金子奈美(同大学院博士後期課程、『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』翻訳者)
 言語:日本語、スペイン語、バスク語(通訳付き)、入場無料

イベント情報
『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』出版記念対談&朗読会
日時:11月7日(水)19:00〜
会場:セルバンテス文化センター東京 地下1階オーディトリアム
概要:スペインの公用語の一つであるバスク語の作家キルメン・ウリベ氏が来日、2009年のスペイン国民小説賞、スペイン批評家賞バスク語小説部門を受賞した『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』(白水社刊)の邦訳出版を記念して、対談と朗読を行ないます。比較文学者で詩人の管啓次郎氏をゲストに迎え、
海を越えて移動する三世代の家族の物語が絡み合う本書の魅力と、作家自身の文学観について語り合っていただきます。バスク語・日本語での朗読を予定しています。
言語:スペイン語(日本語への同時通訳付き)
入場無料、要予約(参加ご希望の方は以下のウェブサイトよりご予約下さい)
http://reservas.palabras.jp/ja/


投稿者: webmaster 投稿日時: 2012-8-14 16:27:16 (1131 ヒット)

多言語社会研究会では、以下の要領で第7回研究大会を開催します。ついては大会における研究報告を募集します。報告は大会テーマ報告と自由テーマ報告のいずれも可能です。奮って応募ください。

▶多言語社会研究会第7回研究大会
【日時】2012年12月1日(土)・2日(日)
【場所】女子美術大学杉並キャンパス
http://www.joshibi.ac.jp/access/suginami
【参加費】2000円
【大会テーマ】多言語社会とICT
<大会テーマ趣旨説明>
言語の歴史は収斂と拡散の歴史でもあり、特定の技術の発展普及がこれにインパクトを与えてきた。15世紀から16世紀のヨーロッパにおいて、宗教改革と結びついた活版印刷術の普及は、「俗語」の書記化と、それらが各地域で「共通語」化する道を開いた。ラテン語を中心とするわずかな言語に収斂していた書記言語が、活版印刷術を契機の一つとして、「俗語」に拡散したと言える。一方、その後の展開を見れば、「共通語」から「国民国家語」へというルートに乗り損ねた諸言語の多くは「少数言語」となることを余儀なくされ、これら言語の話者による言語乗り換えなどを通じ、言語的多様性は全体として徐々に「国民国家語」群へと収斂してきたとも言える。

では現代のICT(Information & Communication Technology)は、言語的多様性の収斂と拡散のそれぞれに、どのような契機として機能しているのであろうか。インターネットは世界のかなりの地域ですでに社会的インフラとなっており、そのうえではさまざまな興味深い言語現象や言語活動が生じている。また、インターネットだけでなく、携帯電話などに見られるICTは、人のコミュニケーションのあり方を変えてきたようにも思われる。

例えば、ウィキペディアが少数言語を維持振興するためのツールの一つとしても用いられていることはすでに知られている。なかでも、カタルーニャ語については、Amical ViqupèdiaというNPOが2008年に創設され、現在およそ60名のメンバーが、カタルーニャ語版ウィキペディアに関するワークショップや会合の開催、カタルーニャ自治政府との協力協定の締結といった様々な活動を組織し推進している。

セネガルでは、1970年代にはすでにウォロフ語正書法が政府機関により一応定められていたが、成人識字プログラム以外でははとんど学ばれることはなく、普
及にはほど遠い状況が長く続いていた。ところが近年になり、この正書法に則って記述されたウェブサイトが現れるようになり、これを参照し準拠する個人ユーザも増加することで、正書法ウォロフ語の使用が広がっている様子が観察されている。

2012年6月、グーグルは、消滅の危機に瀕する言語(危機言語)に関する情報交換を促進することを目的とした"Endangered Languages Project"
http://www.endangeredlanguages.com/)
を開始した。グーグルによれば、プロジェクトサイトを通じて危機言語に関する最新の情報にアクセスできるだけでなく、危機言語使用者自らが、テキスト・音声・動画といった形態による危機言語の情報を登録し共有することが可能となっている。

こうした事例は「なぜ」「どのように」生じているのか。どのような動機や思想、態度(言語態度)が背景にあり、具体的な行動にどのように結びついているのであろうか。これらの問いを通じて、ICTの普及と言語的多様性との間に生じている関係性を展望してみたい。


▶大会報告申込案内
【報告時間】30分(予定)
【報告要旨】2000字以内
【申込締切】9月10日
【申込方法】以下のフォームに必要事項を記入
http://goo.gl/YKplU
【結果通知】要旨を審査の上、9月20日を目途に個別に連絡します。
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投稿者: webmaster 投稿日時: 2012-5-13 7:33:31 (1347 ヒット)

第55回多言語社会研究会(東京例会)のご案内

○日時 2012年7月1日(日)午後2時〜6時
○場所 東京外大本郷サテライト5階セミナー室

*東京外国語大学本郷サテライトへの行き方:地下鉄 丸ノ内線 本郷3丁目駅 下車 徒歩3分 あるいは、JR中央線 お茶の水駅 下車 徒歩7分
地図は以下、でご覧下さい。
http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html

なお、遅れてこられた方は、入り口の扉がしまっているばあい、インターホーンでご連絡ください。

<報告1>
報告者:鳥羽美鈴(関西学院大学)
題名:多様性のなかのフランス語―フランコフォニーについて考える
要旨:
 フランス語教材やフランス語に関わる研究は、これまでフランス共和国と「フランスのフランス語」を重視してきた。そのため、人々がフランス語から連想するのは一般にフランス共和国という一国であり、ケベック、ハイチ、カメルーンなど5大陸に散在するフランス語圏諸国・地域ではない。このようにして、フランス語そのものの多様性や、フランス共和国はじめフランス語が使用される社会の言語・文化的多様性が見過ごされてきた。
 本報告はかかる問題意識に基づき、フランス共和国や「フランスのフランス語」のヘゲモニー(覇権)を廃したところに成立する「フランコフォニー(francophonie)」という概念を提示する。この「フランコフォニー」とは、「フランス語圏」という一言語共同体としての枠組みにはおさまらない広義なものである。

<報告2>
報告者:マリア・カステジャーノス(在日エルサルバドル大使館)
題名:エルサルバドルにおけるナワト語の復興運動とその背景にある社会的意義
要旨:
 ナワト語は、エルサルバドルの先住民族のひとつ、ピピル人の言語である。現在、約200人のナワト語話者しかいないと言われており、消滅の危機に瀕する言語の一つである。この状況に対して、2003年からナワト語を復興させるための運動が教育機関、政府機関と地元の文化団体によって行われている。
 エルサルバドルで発展しているナワト語の復興させるための取り組みは、ナワト語の教育などを通して言語を保護するための運動でもあるが、ナワト語の復興を通してエルサルバドル国内において、ピピル人を代表に先住民の存在を少数派として認め、先住民文化を再評価し、先住民を社会により参加できるために機会を与えるという社会的意義を持つ運動でもある。
 本発表では、まずエルサルバドルのナワト語の現状と2003年から行われているナワト語を復興させるための取り組みの一つとして、ドン・ボスコ大学のナワト語教育プロジェクトについて説明する。次に、2011年に行ったフィールド・ワークを基に、ナワト語の復興活動に参加している地元の視点から見た、ナワト語を復興させたい理由と彼らの現状との関わりについて考えていく。最後に、エルサルバドルのフネス政権が行っている、先住民を支援するための取り組み「ソーシャル・インクルージョン」について述べていく。
キーワード: ナワト語、ピピル人・先住民、社会における先住民の再評価、社会意義を持つ言語復興運動、ソーシャル・インクルージョン政策


投稿者: HaraKiyoshi 投稿日時: 2012-1-9 16:23:38 (1284 ヒット)

日中共同プロジェクト「東アジアの多言語状況と言語政策」

特別講演会「中国における言語政策と言語復興」

日時 2012年2月5日(日)15時ー18時

会場 東京大学 東洋文化研究所大会議室 東京大学本郷キャンパス内

地下鉄丸の内線・地下鉄大江戸線「本郷三丁目駅」から徒歩 5 分ほか。 詳しくは http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

参加費無料

主催 科研費プロジェクト「中国黒龍江省におけるモンゴル族コミュニティーの言語維持・保存や継承・復興への取り組み」および「言語政策史の国際比較に関する総合的研究」

共催 多言語社会研究会 東洋文化研究所班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」

講演者と演題
1 徐大明(中国言語戦略研究センター、南京大学)「言語的多様性と言語計画」
2 包聯群(首都大東京)「中国黒竜江省におけるモンゴル人コミュニティの言語維持・復興への取り組み」

問い合わせ 原聖(女子美術大学)harakysh@gmail.com


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